山本勘助は実在しなかった!
では、ここで山本勘助という「軍師」の人物像について、詳しく検証してみよう。
山本勘助といえば、二〇〇七年のNHK大河ドラマ『風林火山』で主人公として、脚光を浴びたことは、私たちの記憶に新しい。
特に、〝越後の龍〟こと上杉謙信と、〝甲斐の虎〟こと武田信玄が、互いに雌雄を決しようとした「第四次・川中島の戦い」において、自らが招いた戦略ミスの責任を取る形で、戦場の露と消えた悲劇的な末路とあいまって、その生き様は、多くの小説やドラマ、映画などで繰り返し描かれている。