【第5回】家族の反応 | マイナビブックス

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【第5回】家族の反応

2016.09.16 | 川口 世文

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5 家族の反応

 

正義が自宅に戻ってくると、珍しく彼以外の全員が茶の間に集まっていた。父、征四郎と、正義が「居候弁護士(イソ弁)」と呼んでいる若手弁護士の磯川が遅めの夕食をとっていた。
不動家の茶の間になっている八畳間は、中央に二畳分の掘り炬燵(ごたつ)が作られていて、大きな座卓が置いてある。〈不動法律事務所〉が磯川のような若い弁護士を複数雇っていたころの名残だった。
正義は自分の定位置に座ると、床の間の前に座っている父親に向かっていった。
「オヤジ──おれ、急ぎで頼まれていた仕事なんてなかったよな?」
だが、たとえ自宅であっても仕事の話の場合は「オヤジ」という呼びかけに、征四郎は応じてくれない。
「──先生?」

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