【第11回】キリン先生
2017.02.01 |
11 キリン先生
翌朝、舞衣が出かける準備をしていると、恵梨から携帯に電話がかかってきた。いつもはこんな時間に連絡が入ることはなかったので、何かあったのかと心配したが、恵梨の用件は単に現状報告の催促だった。
「あんたも不動さんも何やっているの? その後どうなったのか、連絡ぐらいくれてもいいじゃない」
恵梨は本気で怒っていたわけではないが、自分だけ蚊帳の外に置かれて少し寂しがっているようすだった。
「ごめん……別に放っておいたわけじゃないの」