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一生役立つゴルフクラブの選び方 第一巻

【第1回】第一章 自分に合うクラブとは何か?

2014.11.28 | マーク金井

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第一章 自分に合うクラブとは何か?

 

 1ヤードでも遠くに飛ばしたい、ドライバーでOBを減らしたい、スライスではなくドローボールを打ってみたい……

 クラブを選ぶ(クラブを買い替える)ポイントはいくつかありますが、多くのゴルファーに共通しているのが「どのクラブが自分に合っているのか」「自分に合ったクラブは何か」と考えていることです。

 アナライズでは5年前からクラブ診断を実施していますが、そこでもほとんどのゴルファーは、「自分に合ったクラブ」に出会えれば……「より遠くに」「より真っ直ぐに」ボールを飛ばせると思っています。例えば、キャロウェイのレガシーとテーラメイドのバーナーとでは、どちらが自分に合っているのかという風に……。

 しかし出鼻をくじくようですが、自分に合っているクラブは、必ずしもゴルファーに有益なクラブになるとは限りません。また、ぴったり合ったクラブを手にしたからと言ってゴルフが上達するとも限らないのです。

 それは何故か?

 アマチュアの多くは、特にハンデが多いゴルファーの場合、自分のスイングがちゃんと確立されてません。自分のスイングが不安定な人ほど、「自分にピッタリ合った」というフィーリングが短時間でコロコロ変わりやすいからです。

 では、「自分に合う、合わない」ではなく、何を基準にしてクラブを選べばいいのか?

 いくつかポイントがありますが、もし皆さんがフック、スライスに悩んでいるのであれば、「逆球」が出るクラブを使うことを強くお勧めします。スライスが持ち球で右に曲がることが多い、右サイドにOBがあると、魅入られたように右OBを打ってしまう。こういう人は、プロや上級者が打ったら左のOBにしか飛ばない、捕まり過ぎて引っかかるドライバーを選んで下さい。

 具体的に言うと、

 ・フックフェースが強い(フェース角+2度以上)
 ・重心距離が短い(重心距離35ミリ以下)
 ・重心アングルが大きい(重心角が25度以上)
 ・リアルロフトが多い(10度表示でリアルロフト12度以上)

 スライスする人は例外なく、アウトサイド・イン軌道になっていますが、これはボールを捕まえたい(右に飛ばしたくない)気持ちに支配されてボールを打っています。右に飛ばしたくないから、ダウンで体が早く開き、それが原因でクラブが外から下り、カット打ちになるからボールに右回転がかかっています。

 言い換えると、スライスに悩んでいる人でも、フックしか出ないクラブを使えば、スイングのことをあれこれ考えなくてもアウトサイド・イン軌道が矯正されてきます。球筋が変れば、体はそれに対して勝手に反応するからです。プロがレッスンするよりも、道具(クラブ)を変えた方が短時間でスイングは変わるのです。これには例外がありません。ボールが左に飛び始めると(「右」に飛ばなってくると)、アウトサイド・イン軌道に振る必要がないからです。

 数年前、キャロウェイが四角形ドライバー「FT?i」を登場させましたが、ボクはこのドライバーを初めて打った時、ボールの行方を見失いました。自分ではいい感じで芯を喰ったのに、ボールは視界から外れるくらい左に飛んでしまったからです(笑)。発売当初は「こんなに左に飛ぶドライバー、一体誰が使うんや?」と思いましたが、スライサーにとっては見事にスライスが出ない(正確にはスライサーでもドローが打ちやすい)ドライバーです。右OBを確実に減らしてくれる「魔法の杖です」。

 もちろん、左にしか飛ばないドライバーはスライサーでもずっと使い続けられるわけではありません。アウトサイド・イン軌道が改善されれば、今度は左のOBに悩まされることになります。その時になったら、もう少し特性がニュートラルなドライバーを使えばいいのです。要するに、2段階でクラブを選ぶのが得策。そして、この方が「自分に合う、合わない」でクラブを選ぶよりもはるかに近回りなんです。

 次回は、フッカーのためのクラブについてお話しましょう。