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一生役立つゴルフクラブの選び方 第一巻

【第3回】第三章 振り切れる範囲で重いクラブを使う!

2014.11.28 | マーク金井

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第三章 振り切れる範囲で重いクラブを使う!

 

 キャロウェイの新しいレガシーと、ブリヂストンのXドライブGRだと「本当はどっちの方が飛ぶんですか?」

 この手の質問をホント良く受けます。また、ゴルフ雑誌の多くはそんなユーザーの興味(期待)に応えるべく……試打者の評価だけではなく、弾道計測器を使って実際の飛距離を表記しています。

 さて、このドライバーの打ち比べ。ボクも「人間試打マシーン」とか呼ばれ、年間200~300本打っています。そしてもちろんのことですが、打ち比べればメーカー、モデルに飛距離の差が出ます。例えば10本打ち比べれば、一番飛ぶのと一番飛ばないのとでは5~10ヤードぐらい違ってきます。そして、試打してひしひしと感じるのがスペックの重要性。

 スペックとは、

 ・クラブ全体の重さ
 ・パーツの重さ(ヘッド、シャフト、グリップ)
 ・クラブの長さ
 ・ロフト(正確にはリアルロフト)
 ・フェース向き
 ・重心位置(重心距離、重心高、重心アングル)

 のことです。

 これらが自分に合っていれば「飛ぶドライバー」になり、これらが自分に合ってなければ「飛ばないドライバー」になります。言い換えると、モデルの差によって発生する飛距離差よりも、スペックが「合う、合わない」ことによって発生する飛距離差の方が大きいと感じています。

 ではスペックのどこにこだわれば、飛ぶドライバーを手に入れられるのか?

 スペック選びで一番大事なのは重量です。シャフトが重いスチールだけの頃は、ドライバーの重量は350g以上あって、アマチュアには重過ぎました。ところが今は重量バリエーションが実に豊富。カーボンシャフトの登場により250g~320gぐらいまでのドライバーがゴルフショップに並んでいます。

 結論から先に言うと、

 ・軽いほど=ヘッドスピードがアップする
 ・重いほど=スイングが安定する

 飛ばすだけなら軽い方が有利に感じますが、実際はそうは問屋が卸してくれません。軽過ぎるドライバーを使うとテークバックが手打ちになりますし、コースに出た時に曲がりやすくなる。対して、重いドライバーを使うと軌道は安定する反面、ヘッドスピードが確実に落ちてきます。例えば重量を15g重くすれば、大抵の人は1m/s以上ヘッドスピードが落ちます。

 抽象的ですが「振り切れる範囲で重い」クラブがベストです。そして適正重量を知るためには、ゴルファー自身が実際に軽いクラブと重いクラブを打ち分けてみること。理想は同じヘッドで、同じ長さ。それで重いクラブと軽いクラブを打ち分けてみる。

 ・自分のパワーを出し切った時にヘッドスピードが落ちない
 ・ミート率(打点位置)が安定している

 この2つの要素が満たされているのが、その人にとって適正重量です。例えば、ボクの場合、45インチだと315~320gがちょうど良く、どのモデルでもこの重さに揃えると、ヘッドスピードとミート率のバランスが良くなります。実際、市販クラブを試打した時も、重さがこれに近いほど飛距離が出て、方向性も安定します。あるメーカーなどは、ボクにちょうどいいスペックをわざと送ってきたりします(笑)

 ちなみに「振り切れる範囲で重い」目安は(長さ45インチ)

 ・40歳以下………310g?10g
 ・40~50歳……305g?10g
 ・50~60歳……300g?10g
 ・60歳以上………290g?10g

 ゼクシオを含め、市販ドライバーの多くは300gを切っていますが、これはアベレージ向けドライバーの対象ユーザーは、団塊の世代(60歳以上)だから。もちろん、団塊の世代でもパワーがあればわざわざ軽いドライバーを使う必要はありません。パワーに応じて少し重くした方が飛距離が伸びて、方向性も安定してくるでしょう。

 次回はヘッド重量の重要性についてお話しましょう。

※ちなみに、弊社で販売している。シャフトスタビライザーはグリップ側の重量なので、ヘッドスピードはほとんど落ちませんので安心してご使用下さい(逆にミート率がアップして、飛距離が増える方がほとんどです!)。