舞い上がれ、2
オセロにはオセロの流儀 ひもじければま白き駒を食べて凌げり しろくろしろくろくるりとかえしわたくしがくろかもしれぬ賭けをしている それならば わたしが 白に染まりましょう うらっ.....
舞い上がれ、1
夕刻のチャイムが 三十分遅くなり はるはいつでもかゆさをともなう 弟はいまだ不在で 地中ふかくあたたまって 父と母、姉たちが スーツケースに遺伝子つめこむ 明日、発つ。 &nbs.....
木曜日に鳴らした、4
砂糖より あまく 海水より にがく おもいでより なつかしいもの。 それらを求めつづけている誰か その誰かが言った―― 「ここではないしあわせの国」 弟が安息日と手帳にしるす &.....