(きわめて歌うように2)
眠れない夜の果てに
おおこそばゆく
ちちっと
虫
に刺された処女の太腿の
ような朝
まれでありつかのま
ですねわれわれが地上に出てこうして
意味もなく強烈な光を浴びているということは
まれでありつかのま
ですね
なまこ
きわめて歌うように
おお
語り得ぬ正午のわたくし
ただの
なまこ
となって閾に立ちこんなにも押し上げられ
こんなにも光を浴び
しかもなお
なまこ
のままのわたくしよ
われわれのわたくしよ
2014.2.21