なまこサバイバル(2)


(ほらほら、われわれのわたくしは)

 

ほらほら、

われわれのわたくしは、

骨のないところをみせて、

なまこサバイバル、

生ける灰に擬態したそのつつましい表皮をみよ、

砂地では砂になりすまし、

砂に呑み込まれ、意味もなくぐねぐねとうねったりもする、

そのくせ、それが逃亡のはじまりなのだ、

 

ほらほら、

われわれのわたくしは、

なまこから紐が、言語という紐が出て、

亡霊となってはばたくおのれの未来とか夢みながら、

そのかすかな痙攣、

なおも紐は考えているのだ、

この水圧のような重苦しさは何なのか、

どこからどのようにそれはやって来るのか、

するとその問いが、

骨のない頭のようにむき出されてくる、

なまこサバイバル、

なまこサバイバル、

(以下次号)

 

2014.1.24

カテゴリ: シーズン1, 野村喜和夫
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