なまこサバイバル(3)


(ほらほら、われわれのわたくしは)(承前)

 

ほらほら、

われわれのわたくしは、

なまこなまこなまこ、

仮に精神というものがあるとすれば、

そのどん底をゆっくりと這い、

もとよりゼラチン状で、

仮に千もの破片にそれを切り刻んだならば、

千ものそれが再生するであろう、

その錯綜した眠りのなかに、

あらゆる名のゲームを、

それが戦争であろうと愛であろうと、

くるみ込み、溶かし込み、

許せ、なまこが行為しているのではない、

行為がなまこを、

突き抜けてゆくのだ、

それほど頭を無頭のように揺らして、

方法でもない、技術でもない、

頭を無頭のように揺らして、

 

ほらほら、

われわれのわたくしは、

わたくしのわれわれへと反転し、

たくさんの笑いの襞、

たくさんの、たくさんの裸の特異点、

そうしてついに光を発し、糞尿のような光を発し、

もうなまこなんか知らない、

ああ誰かさん、わたくしを皮膚せよ、

扉せよ、骨せよ、

わたくしは大胆してやろう、

彗星してやろう、ついにニチリンヒトデ来たれり、

まで、自在に動く触手と、

ビロードのように柔らかな表皮と、

ついにニチリンヒトデ来たれり、

まで。

 

 

2014.1.31

 

カテゴリ: シーズン1, 野村喜和夫
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