(ほらほら、われわれのわたくしは)(承前)
ほらほら、
われわれのわたくしは、
なまこなまこなまこ、
仮に精神というものがあるとすれば、
そのどん底をゆっくりと這い、
もとよりゼラチン状で、
仮に千もの破片にそれを切り刻んだならば、
千ものそれが再生するであろう、
その錯綜した眠りのなかに、
あらゆる名のゲームを、
それが戦争であろうと愛であろうと、
くるみ込み、溶かし込み、
許せ、なまこが行為しているのではない、
行為がなまこを、
突き抜けてゆくのだ、
それほど頭を無頭のように揺らして、
方法でもない、技術でもない、
頭を無頭のように揺らして、
ほらほら、
われわれのわたくしは、
わたくしのわれわれへと反転し、
たくさんの笑いの襞、
たくさんの、たくさんの裸の特異点、
そうしてついに光を発し、糞尿のような光を発し、
もうなまこなんか知らない、
ああ誰かさん、わたくしを皮膚せよ、
扉せよ、骨せよ、
わたくしは大胆してやろう、
彗星してやろう、ついにニチリンヒトデ来たれり、
まで、自在に動く触手と、
ビロードのように柔らかな表皮と、
ついにニチリンヒトデ来たれり、
まで。
2014.1.31