[将棋]マイナビ女子オープンブログ|将棋情報局

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(4連覇を果たした西山女王)

(伊藤女流三段。タイトル奪取には、あと一歩届かなかった)

(順に主催者インタビューに応じる)
◆西山女王の談話
――三間飛車石田流対居飛車穴熊の戦いになりました。序盤はいかがでしたか。

西山 作戦勝ちから始まったと思ったんですけど、攻めをいなされてしまって。昼食休憩辺りはちょっと自信がなかったんですけど、何とか勝負手が通っている形になったかなと思いました。

――勝負手というのは▲6五桂(71手目)でしょうか。

西山 そうですね。

――優勢を意識された局面はどの辺りでしょうか。

西山 ▲5三桂成(73手目)△同金▲4一とのところで、守りの要の駒が1枚取れそうだったので、よくなったかなと思いました。

――これで防衛となりました。いまのお気持ちをお願いします。

西山 (奨励会退会で)環境が変わってすぐの大勝負だったんですけど、何とか結果を出すことができて、いいスタートが切れたかなと思います。

――第1局を落としたあと2連勝、そこで第4局に敗れて最終局となったわけですが、シリーズの流れはどう見られていましたか。

西山 第3局で勝てたことが大きくて、気楽にやれた部分はあったかなと思います。カド番が続く状況になると、精神的にきつかったと思うので。

――今回の防衛で4連覇です。来期は連続5期の永世女王の称号が懸かります。

西山 本当に毎回ぎりぎりの戦いで、あっという間だったんですけど、何とかよい結果を重ねられて4連覇という形になって、うれしく思います。来期はこれまでとは違うものが懸かってくるということで、少し意識して臨みたいと思います。

◆伊藤女流三段の談話
――相手に仕掛けられて、▲6二歩(47手目)と垂らされた局面はどう見られていましたか。

伊藤 勉強不足で、攻めの糸口を作られてしまった感じで。あの辺りは、指しにくくしているかなと思っていました。

――いまの時点で、ここがまずかったかなという局面は何かありますか。

伊藤 ▲6二歩以降ということですか。ずっと神経を使う展開で、難しいくらいの形勢ではあってほしいと思いながらやっていたんですけど、ちょっと攻めがつながってしまったという感じですかね。

――今シリーズを振り返って、いかがですか。

伊藤 西山さんとの番勝負が初めてで、マイナビ女子オープンも初挑戦でした。対局場など、初めてのことばかりで、楽しみながら臨めたと思います。5局戦えてよかったです。

(睡蓮)

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この局面で伊藤女流三段が投了しました。終局時刻は16時28分。消費時間は、▲西山2時間23分、△伊藤3時間0分。勝った西山女王は3勝2敗で防衛し、4連覇を決めました。

(紋蛇)

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時刻は16時を回りました。西山女王が攻め続けて、図の局面です。次の▲3二銀成△同金▲4一銀が厳しく、後手玉はすでに相当に危険な状況。一方の先手玉は手つかずで、形勢は西山女王がはっきり優勢です。

(西山女王。攻めの力で棋勢を引き寄せた)

(伊藤女流三段。残り時間はあと10分ほどになっている)

(睡蓮)

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図は15時25分頃の局面です。▲4一とに対し、伊藤女流三段が16分の考慮で△4一同銀とし、銀を犠牲にと金を消しました。以下は▲4一同竜△5二銀▲3一竜までパタパタと進行。穴熊の銀をはがせたのは大きく、西山女王がややリードしたのかもしれません。例えば▲3一竜に△7八とは、▲8四銀と後手の飛車を押さえる手が利きます。


(西山女王)

(控室で継ぎ盤に向かう香川女流四段)

(向かいに座るのは田中寅九段。△4一同銀をモニターで確認し、「あっ、取ったの?」と驚きの声を上げた)

(睡蓮)

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15時、伊藤女流三段は2三の銀を△3二銀(上図)と引いて、▲4一とを防ぎました。これも受けの好手。対して西山女王はと金で取られそうな桂を▲6五桂(下図)と跳ね、力技で攻めを続けようとしています。△6五同歩なら、▲5五角、あるいは▲7五角です。

西山女王の攻めに、伊藤女流三段の受け。互いに持ち味を発揮し、難しい形勢のまま指し手が進んでいます。

(西山女王)

(伊藤女流三段)

(睡蓮)