(終局直後、インタビューが行われた。勝った加藤女王から質問に答える)
――お疲れさまでした。ではまず本局の感想を、勝たれた加藤女王からお願いします。まず序盤は研究だったのでしょうか。
加藤 そうですね、少し形は違うのですが、似たような形を研究会でやったことがあって、仕掛けはいけるかなと思ったのですが、分からないところもあったので、難しいのかなと思いながら指していました。
――途中から加藤女王がよくなったという評判でした。優勢を意識したのはどの辺りでしょうか。
加藤 優勢を意識したところは、△3三桂と跳ねたところです。
――では勝ちを意識できるようになったのはどの辺りでしょうか。
加藤 △4七歩成から△4五香と打てて、飛車を相手に渡しても自玉に何もないことを読みきれたので、勝ちになったのかなと思いました。
――これで2連勝になりました。その感想と次局の抱負をお願いします。
加藤 まず、勝てたことはうれしいですけど、難しい将棋だったので、結果はよかったのですけど次局もしっかり研究して、しっかり準備して臨みたいと思います。
(続いて上田女流三段にインタビュー)
――次に上田女流三段にお聞きします。序盤は中飛車でしたが、これは予定の作戦だったのでしょうか。
上田 そうですね。中飛車を指そうと思っていました。
――相手の穴熊も予想していましたか。
上田 いえ、この形での穴熊は考えていなかったですけど、仕掛けられて受ける展開になってしまったので、つらいなと思っていました。
――苦しいと思われたというのは、どのあたりの局面でしょうか。
上田 そうですね。全体的に苦しいのですけど、△4五歩と突かれた辺りははっきり苦しいかなと思いました。
――これで2連敗になってしまったのですが、次局への抱負をお願いします。
上田 状況はあまり考えずに、目の前の一局を頑張りたいと思います。
(独楽)
加藤桃子女王に上田初美女流三段が挑む第10期マイナビ女子オープン五番勝負。第3局は愛知県蒲郡市「西浦温泉 旬景浪漫 銀波荘」で5月16日(火)10時に開始されます。ここまで2連勝の加藤女王が一気の3連勝でタイトル防衛を果たすか、上田女流三段が盛り返すか。本局の立会人は塚田泰明九段、記録係は小高悠太郎二段が務めます。
持ち時間は各3時間(チェスクロック方式)。使いきると1手60秒未満の秒読み。先手は加藤女王です。
本日5月15日(月)は記念撮影、検分、対局者インタビュー、夕食会が行われます。
本局の中継は棋譜コメント入力を飛龍記者、ブログを潤が担当いたします。よろしくお願いします。
(対局の行われる銀波荘)
(銀波荘を出るとすぐ、三河湾を望める)
(潤)