（モニターで本局の進行を改めて確認する室谷由紀女流初段。モバイル中継で簡単に進行を見ていたという。簡単に本局のここまでについてうかがった）

室谷女流初段「モバイル中継で見てましたけど、凄い展開ですよね。全然分からないです。現局面は、先手の２四銀と２八飛が働くかどうかが不安。自分は振り飛車側（後手）が指しやすいと思います」

▲１一角成を防いで△２二歩と打った局面で12時10分となり、昼食休憩に入りました。

ここまでの消費時間は、▲山口１時間38分、△伊藤31分。（持ち時間、各３時間。チェスクロック使用）

消費時間に１時間の差が付いているのは大きいようにも思えます。午後はどのような展開となるでしょうか。

（後手・伊藤奨励会１級側から見た実際の盤面）

（本日の使用駒は、思眞作水無瀬書の盛上駒。先手玉には、思眞作と書かれている）

（後手玉には、水無瀬書と書体が書かれている）

（早く対局室に戻り、熟考する山口女流初段）

（対局再開の一手は、▲２三銀不成。中継室を訪れている奨励会員から「読みの入っている手だ、なるほど」と感想が漏れた。飛車を逃げられても、不成ならば▲３四銀不成とバックして有効活用することが出来る）

（▲２三銀不成を見て、伊藤奨励会１級はうなずくような素振りを見せてから、考える体勢に）

（現局面は、時間の面でも局面においても後手の伊藤奨励会１級がやや有利と言われている。どうやって有利を優勢に、そして勝ちに結び付けていけるか）

本局の詳しい内容・解説については、週刊将棋９月24日号にて紹介される。

こちらも併せてお楽しみ頂きたい。

（写真は、９月17日号の週刊将棋。糸谷哲郎七段がタイトル戦初登場を決めたニュースなどが紹介されている）

52手目まで進み、中盤戦の現局面【図】は伊藤奨励会１級が有利と見られています。

午前中に中継室を訪れた棋士達が「先手は飛車が有効活用できない懸念がある」と指摘をしていましたが、本格的な戦いが始まった今も先手の飛車はすぐに活用が見込める状態ではありません。

また、玉頭に攻めの拠点を築かれており、ミスが許されない状況で持ち時間が１時間を切っているということも、実戦的には苦しい要素です。

（中継室を訪れてモニターで本局の様子を確認する田丸昇九段）

（「面白い将棋だね、見てる側としてはこういった将棋のほうがいいよね」と明るく語っている）