図は15時50分過ぎの局面。上田女流二段が▲６四銀と出た局面だ。好調に攻めているようだが、控室では疑問の声も出ている。「何にもしなければいいのに。かなり差が開いてるとは思うんですけど、上田さん、時間がなさすぎるから危ないですよ」（櫛田六段）

（92手目△６三同馬を着手する石橋女流四段）

（文）

図は15時40分頃の局面。▲６四歩の垂らしに、じっと△６二歩と受けたところだ。駒が働かない後手は、辛抱を重ねてチャンスを待つしかない。いっぽうの先手は駒がのびのび働いていて、非常に好形だ。控室の見解は先手よし。「後手が勝負する順が見つからない」「苦しいなあ」「戦法が悪かったのかなあ。それじゃ困るなあ」と、後手側を持って嘆く声がほうぼうから上がっている。

（甲斐女王（左）と矢内女流四段（右））

（飯島七段（左）と櫛田陽一六段（右）。継ぎ盤を見守る）

（文）

図は15時20分頃の局面。ここから▲６二飛成△４四馬には▲５三歩が好手で、先手よしと言われている。▲５三歩に△同馬は▲９二竜。馬を５三に動かしたことで、６六の銀が取られない。飯島七段は先手陣を指差し、「こんなの難攻不落すぎですよ」とうめいた。

（15時30分頃の控室）

（文）

図は15時過ぎの局面。上田女流二段は５九にいた飛車をフワリと５四へ浮いた。軽い感触の手だ。控室では▲５四桂や▲７二馬が主に検討されており、この飛車浮きは意外な一手。しばらく検討が行われたが、先手の優位は動かないようだ。「△７一飛に▲３七馬と引くんですね。なるほど、気づかなかった。いや、いい手ですね」（飯島七段）

（文）

（15時頃の対局室。上田は眼鏡をかけたようだ。石橋にとっては苦しい時間が続いているが......）

（甲斐女王（左）と矢内女流四段（右）。前期五番勝負を戦った両者）

（文）