▲清水-△里見戦では大きな動きがあった。清水女流六段が▲2四歩(図)と動いたのだ。これは△2四同歩▲同飛と飛車交換を迫る狙いで、刀を大上段から振り下ろすような強烈な仕掛け。飛車を打ち合う展開になれば、先手は金銀の密集隊形が生きてくる。後手は素直な攻め合いでは分が悪そうなので、曲線的な指し方でなんとか受け流したいところだ。
本局の主催紙解説を担当するのは千葉幸生六段。2局の形勢について尋ねると、「まだ形勢に差はついていないと思いますが、どちらも先手が指しやすそうですね」と答えた。
▲清水-△里見戦は、駒の活用度が互角のため、堅さでまさる先手持ちのようだ。「▲2七飛を見たときは先手の手が詰まっているのかな、と思ったのですが、こうなると手が作れれば先手ペースになりそうですね。玉が堅いので」と千葉六段。
▲斎田-△長谷川戦も、金銀をすばやく展開した先手持ち。「後手は5筋の位が負担になっています。4筋の金銀が立ち遅れているのが痛いですね」と千葉六段。おそらく、後手に4筋の金銀をゆっくり活用する時間はないだろう。長谷川女流初段としては、戦いの中でうまく活用して駒の力が発揮できるようにしたい。
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