【新連載開始!】将棋ガールズ | マイナビブックス

価値ある情報を幅広く紹介。将棋の「知りたい」はここで見つかる

読み物

【新連載開始!】将棋ガールズ

2015.05.01 多々納光

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ここでは青山学院大学将棋部に所属する現役女子大生、多々納光さんによるエッセイを掲載します。毎週金曜日更新予定です。

============================
将棋ガールズ 

青山学院大学には『チェックメイト部』というクラブがある。チェス部かな?と思われるかもしれないが、やっているのは将棋。
今年2015年の春、『将棋部』へ名称変更したが、伝統ある名ではあった。なぜチェックメイト部が将棋をしていたのか、それは女流棋士の谷川治恵女流五段に由来する。
谷川先生は青学の先輩で、はじめチェスをされていたそうだ。それが将棋を指す友人に誘われて大会に出たり、活動したりしているうちに将棋にはまって、ついには将棋の女流棋士になってしまったとのこと。

とにかく、現部員たちの努力の甲斐あって、晴れて『青山学院大学将棋部』という名前で学生将棋界にデビューとなり、今年度から関東大学将棋連盟の春季団体戦に出撃することになった。



私の名前は多々納光(たたの・ひかる)、今年3月末に二十歳になった。

ちなみに現在の棋力は将棋連盟道場だとアマ三段、東京道場24だと1650点前後。昔から居飛車好き。いちおう青学将棋部のレギュラーである。

現在、青学大将棋部員は男子25人女子5人で、私たちが入部するまで女子部員はいなかった。このあいだまで1~2年生の女子はもう少しいたのだが、初心者だったこともあり、残念ながら少しずつ人数が減ってしまった。

私たち3年生女子3人は、谷川先生以来の女子部員だからOBにも大いに喜ばれた。でも、そこは勝負事、ただ女子部員がいるというだけではなく勝たないといけない。大会では手を読まれないように、できれば戦法もいろいろなバリエーションが欲しい。だから練習は青学の部室だけでなく、他大学の部室にもお邪魔したりするが、たいてい歓迎してくれるので女子はお得かもしれない(笑)。

私自身、将棋は子どものころからずっと親しんできた。なんで将棋なんて若い女の子がやっているの?と思う方もいらっしゃる?かな。将棋は女子にはあまり人気のある種目ではないかもしれない。でも、なりたければプロへの道もある。またプロにならなくても、アマチュアで大いに楽しめる。学生将棋や女性大会では熱い戦いもある。みやびな囲碁に比べてみても、将棋女子はまだまだ少ないと思うので、競技人口が増えればいいなといつも思っている。

女子はたいして強くなくても全国大会に行けて不平等だよなぁとか男子から言われたこともあるけれど、むしろ熱意をもって練習すれば、必ず上に行けるというメリットを生かして、女の子の将棋仲間を増やしたい。

その辺りの将棋論はさておき、ガチガチの男の勝負、おじさんの賭け道具、子どもの遊び、オタクの趣味などと思ったら、「大きな間違いだぞ~!」という意見に共感してくださる将棋ファンの方々、まだほんの短い私の将棋人生を、ちょこっと打ち明けるので、しばらくお付き合いください。



(第2回へ続く)