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新刊案内「わかる!勝てる!!急戦矢倉」 ~急戦矢倉が指されるようになった理由~

2015.02.19 | 藤原 哲

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みなさんこんにちは。編集部の藤原です。

本日ご紹介するのは「わかる!勝てる!!」シリーズの第3弾!
真田圭一七段著「わかる! 勝てる!! 急戦矢倉」です。



この本はタイトル通り急戦矢倉に絞って書かれた本で、①△5三銀右急戦、②右四間飛車、③超急戦棒銀、④矢倉中飛車、⑤△7三桂型急戦の5つの急戦矢倉を紹介しています。この本の大きな特徴として、後手の仕掛けるポイントはもちろん、先手の対策もばっちり載っている本となっております。

急戦矢倉は知られている通り破壊力のある積極的な戦法ですが、なぜそのような戦法が出てきたのか? それには少しばかり矢倉の歴史を振り返る必要があります。ご存知の方も多いかもしれませんがしばしお付き合いを。



矢倉といえば、かの有名な24手組(上図)と呼ばれる手順が主流でした。
以下は、先後同型から先手が先攻して後手がそれを受ける戦いに。この戦いは先後の差で先手が先攻できるものの、それなりに後手も戦える展開でした。

しかしこれまでの矢倉の概念を根本的に覆す新手法が現れます。それが飛先不突き矢倉



24手組と違うのは▲2六歩と突いていないことだけですが、なんとこれが革命的な進化をもたらします。




24手組でただでさえ先攻されていたところに、もう一手先手に自由に指せる権利が加わったために、後手はさらに受け身主体を余儀なくされました。それでも戦えなくはありませんが先手の攻勢、後手の守勢がはっきりしました。
この現状を打破するために出てきたのが「急戦矢倉」というわけです。



図面は矢倉中飛車と呼ばれる戦法。既に先手が▲7七銀と上がっているのがポイントで、なぜ▲7七銀型に矢倉中飛車が有力なのかについても述べてあります。これによって先手も5手目▲7七銀ではなく、▲6六歩が主流になっていくのですが…。

これらについては第1章「矢倉のスタート」に詳細が書いてあります。
この本で先手でも後手でも自信を持って急戦矢倉を戦えるようになっていただければと思います。発売は3月24日を予定しております。ぜひお楽しみに。