アラカルト 林檎職人

“陽”をテーマにポップを突き進むイラストレーター「うとまる」

文●らいら写真●黒田彰

アップル製品を使いこなすプロフェッショナルたち。彼らの仕事場にフォーカスし、その舞台裏を取材します。

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( 職人とその道 )

 

うとまるイラストレーター/アートディレクター

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多摩美術大学卒業後、デザイナーとして就職したのち独立。現在はイラストレーターとしてポップカルチャーシーンを中心に活躍中。「ORESAMA」「上坂すみれ」といったアーティストのCDジャケットやMVなどのアートワークを提供するほか、プロダクト開発やロゴ制作なども手がける。クリエイティブプロダクション「THINKR」の「POPCONE」所属。

 

 

映画に魅せられた青春

ポップなMVと洗練されたメロディーで、若者を中心に人気を集める音楽ユニット「ORESAMA(オレサマ)」。そんな話題のユニットのアートワークを担当するのが、イラストレーターのうとまる氏だ。ポップカルチャーのど真ん中を突き抜けるような色彩表現とキャラクターデザインは、見る者すべての目を引く。

「自宅に美術書や画集がたくさんあった影響で、子どもの頃から絵を描くのが好きでした。学生の頃には、すでに仲間内でイラストレーターとして活動していました。『うとまる』という名前も、そのとき名乗っていたハンドルネームのようなもの。深い意味はありません(笑)」

そんなうとまる氏が、イラストと同様に愛してやまないのが映画だ。お金のない学生時代は、オールナイト上映に通ったりして何本も映画を鑑賞していたという。

「絵を描くことと映画を観ることは、10代の頃からずっと続けられています。既存のキャラクターものには惹かれなくて、本や映画といったストーリーのあるものに興味がありました」

高校卒業後は好きなイラストを続けるために多摩美術大学に進学。大学卒業後、音楽事務所のデザイン部に就職するが、その直後に東日本大震災が起こり、うとまる氏の人生が激変することになる。

「事務所のあったビルが震災の影響で解体することになり、私たち技術職は在宅ワークに変わったんです。もともと出不精なこともあり、その働き方がすごく心地よくて。同じ技術職の子とも『ずっとこんな働き方がいいね』って話していました(笑)。約1年後に、新しいオフィスに戻るよう指示が出たので、私はフリーランスとして独立することにしたんです」

メディアで働き方改革が叫ばれるよりも一歩早く、うとまる氏は心地よい働き方を実現した。現在は、クリエイティブプロダクション「シンカー(THINKR)」に所属し、自宅兼アトリエで日々仕事を進めている。

 

“陽”を伝えたい

うとまる氏は仕事上のターニングポイントを「ORESAMA」の担当を始めた約3年前だと振り返る。

「シンカーとの初めての仕事でした。ORESAMAのメジャーデビューを控えたプロジェクトの初期段階だったので、今後どうなるかわからない状況でしたが、気合を入れて世界観を作り上げていきました。あれからORESAMAも私も成長できましたし、こんなに大きく膨らんでいくとは思っていなかったので、続けてきてよかったなと思います」

ORESAMAとの仕事を受けた理由は、アーティストイメージと自分のテーマに重なる部分があったからだという。

「ORESAMAの作る世界観は、明るくてキャッチーで、全面的に“陽”なんですよね。私も自分の表現は、意識的に陽にするのがテーマ。そういう意味でもプロジェクトは合うと思いました」




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