アラカルト 林檎職人

世界をiPad Proで創造するイラストレーター【福田愛子】

文●大須賀淳写真●黒田彰

アップル製品を使いこなすプロフェッショナルたち。彼らの仕事場にフォーカスし、その舞台裏を取材します。

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( 職人とその道 )

 

福田愛子(Aiko Fukuda)ファッションイラストレーター

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ブリッジウォーター州立大学芸術学部グラフィックデザイン学科卒業。2014年よりフリー。ペン画を軸とした繊細でノスタルジックな世界観はファッション誌や広告、美術館背景などで起用される。近年ではiPad Proを導入し、アナログとデジタルをシームレスに行き交い共存し合う表現方法に注力。新しい方法論や技法を積極的に取り入れながら、プロダクトデザインやデジタルライブアート、ディスプレイなどと表現領域を拡大している。【URL】http://www.aikofukuda.com/

 

 

手描き感をデジタルでも

予備知識なしで作品に接すると「1970年代頃、ニューヨーク辺りで活動した人物」といったアーティスト像が浮かぶかもしれない。そんな、オールドアメリカン的な作風を持つ福田愛子氏は、雑誌やWEBサイト等の挿絵やビジュアル作成をはじめ、アップルストア銀座に招かれてのライブドローイング、自身の個展といったイベントまで、幅広く活動するファッションイラストレーターだ。

福田氏が描くモチーフには、ユーモラスな表情の人物はもちろん、ファッションアイテムや食材といった静物に至るまで、「目をそらした隙にこっそり動いていそう」な息づかいが感じられる。一見クールな描写であっても、確かな手描きの温度が伝わってくるのだ。そんなアナログ感溢れる作風の福田氏だが、実はiPadプロとアップルペンシルを中心としたデジタルツールの活用が、制作の重要なポイントとなっている。

「中高生の頃、グラフィティなどのストリートアートを好きになり、ノートに描いたりしていたので、将来はファッションやイラスト、デザインに関する仕事に就きたいと思いました」

その後、アメリカの大学でグラフィックデザインを学び、日本での就職活動に際して基礎力を高めたいとの思いからデッサン教室に通い始める。そこで福田氏は、「点描」という手法に魅せられた。基本はペンによる手描きだが、仕上がりを追求するうちにアナログとデジタルのハイブリッドな手法に行き着いたという。

「最初は色鉛筆で着色していましたが、どうしても線がかすれてしまう。そこで試しにイラストをスキャンして、フォトショップで塗ってみたら、点描を損なわずに鮮やかな色が出せたんです」

福田氏の作品は、手描き感満載のタッチと、ソリッドで安定したカラーが同居しており、紙だけでなくディスプレイ上での鑑賞にもマッチする独特の「足腰の強さ」のようなものが存在する。その空気感が生まれた背景には、こうしたアナログとデジタルを折衷させた手法も大きく関与していることは間違いないだろう。




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