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「Solar Paper by YOLK」でiPhoneをいつでも充電

文●栗原亮

アップル製品を手厚くサポートするハード&ソフトメーカーの新製品について担当者に直撃!

ソーラー充電器の弱点克服

外出中にiPhoneの充電が切れてしまって困った経験がある人も多いだろう。その場合、モバイルバッテリを持ち歩いていればよいのだが、構造上どうしても重たくなりがちで、大きさもかさばってしまう。また、モバイルバッテリ本体の容量を使い切ってしまったら、次の充電をするまでは余計な荷物になってしまう。こうした問題を解決する方法として注目されているのが、太陽光があればいつでもモバイルデバイスに充電できるポータブル「ソーラー充電器」だ。

とはいえ、従来のソーラー充電器は必ずしも実用的なものではなかった。それというのも、変換効率の関係から充電に必要な電力を確保しようとすると、本体サイズが大きく重くなってしまうからだ。

このジレンマにテクノロジーとデザインの両方のアプローチから挑んだのが、2012年に韓国で創業された社員数わずか4名のベンチャー企業YOLK(ヨーク)だ。CEOのSENさんは、ソーラー充電器の弱点を克服するアイデアについてこう語る。

 

ソーラー界のアップルを目指します!

YOLK CEO
SENさん

 

「ソーラー充電器にはさまざまなタイプがありますが、大きいものですと持ち運びが困難です。一方、小型なものはソーラーパネルの面積も小さく、実用的な充電が行えません。これがソーラー充電器が一般的にあまり使われていない理由ですが、私たちは2つのアプローチによってこの問題を解決しました。まず、テクノロジー面では、同じパネル面積でエネルギー効率を最大限高める技術を搭載しています。また、デザイン面ではパネルを収納するケースをなくして薄く、軽量化し、さらに複数のパネルを接続するケーブルの代わりにマグネットの電極で接続するという仕組みを採用しました。それがこの『ソーラーペーパー』(Solar Paper)です」

ソーラーペーパーのパネル部分はわずか2ミリという薄さで、1枚あたりのサイズはiPhone 7プラスよりもひと回り大きい程度。だが、高効率な小型セルを配置することで、ほかのメーカーであればA4サイズが必要となる2.5Wの出力を実現しているという。

接続のためのUSB端子付きのパネルの左右に、同じサイズのソーラーパネルのみを追加可能で、マグネットでパネルを簡単に脱着できる。使わないときにはパネルを重ねてカバンなどに収納しておけばよいので持ち運びも苦にはならない。なお、このパネルを4枚重ねても、iPhoneの厚さと大きくは変わらない程度だ。

「セルの太陽電子効率は約23%と世界でもトップ水準です。1パネルにつき30セルのモジュールとなっていて、2枚あればiPhoneの標準充電器と同じ出力、4枚で10WなのでiPadの充電に使えます。最大6枚まで対応しています」

これまでソーラー充電器の弱点と言われてきた「断線」問題についても、独自の対策を施した。

「ソーラーパネルは仕組み上、太陽光が必要です。これまでは日が少しでも陰ると供給電力が低下して充電が中断してしまいます。この特性を知らないユーザが失望するといったこともあったのですが、ソーラーペーパーでは日陰に入っていったん中断しても、再び日が射せばオートリセット機能で充電を再開するようになっています」

液晶のデジタル電流計を搭載しているので、ソーラーパネルの出力も確認できるので安心だ。製品本体に蓄電する機能はないが、別途モバイルバッテリを用意して、そちらを充電するといった運用も可能だ。

 

 

Solar Paper by YOLK

【発売】ロア・インターナショナル
【価格】6999円(オプションパネル1枚2.5W)、1万6800円(2枚5Wセット)、2万2800円(3枚7.5Wセット)、2万8900円(4枚10Wセット)、3万7778円(6枚15Wセット)
【URL】http://www.yolkstation.jp/

 

COMPANY

株式会社ロア・インターナショナルは、最先端のモバイルデバイスとハイファッションを融合したケースやデジタル機器周辺アクセサリの輸出入・流通を展開。「さりげなく自分を表現できるアイテム」としてソーラーペーパーに着目し、「YOLK」の日本正規販売代理店として国内での新たな市場拡大に取り組む。
【PRODUCT SPEC】サイズ:90(W)×19(H)×11(D)mm(パネル最薄部2mm)、各パネル65~75g/ /出力:2.5W(1枚あたり、最大6枚15Wまで追加可能)/充電:フル充電2.5時間(晴天時)/インターフェイス:microUSB/防水・防塵:IP54(生活防水対応、USB端子除く)

 

 

クラウドファンディングで注目

こうした独創的なアイデアを盛り込んだソーラーペーパーは、米国のクラウドファンディング「キックスターター」で2015年末に発表されるやいなや大きな注目を集め、100万ドル(約1億2000万円)以上の出資を短期間に獲得、その後日本国内のクラウドファンディング「Makuake」を利用したプロジェクトでも、目標金額100万円のところ2680万円の出資を集めた。また今夏、パルコのクラウドファンディング「BOOSTER」にて、ファッションブランドとコラボ企画も予定している。

2017年のCES(米ラスベガスで開催される家電見本市)ではそのコンセプトと技術力が高く評価され、イノベーションアワードを受賞、国内では正規販売代理店のロア・インターナショナルが運営する「MyCaseShop」から購入可能だ。

「普段から外で利用する機会も多いので、ファッションアイテムとして利用できるようパネルに高級感のあるブラックとゴールドを採用しています。パッケージも弊社の名前であるYOLK(黄身)と太陽をイメージしたデザインとなっています。特に日本市場ではハイテクであることと環境に対する意識が高いので、反応は良好です。また、パネルは半永久的に使えるものですので、防災用途にも適しています。今後も高品質な製品を展開していきたいと考えています」

 

 

USBポートを通じて、iPhoneやiPad、USB接続のデバイスを充電可能(iPhoneは最低2.5W×2枚、iPadは最低2.5W×4枚が必要)。アウトドア用の紐を使ってバックパックの後ろに取り付けるなどすれば、歩きながら充電することもできる。

 

 

世界でもっとも薄く、もっとも軽いソーラー充電器。パネルは1枚2.5W(重さは65~75グラム)、本体を含め最大6枚(2.5Wx6枚=15W)まで追加できる。着脱はマグネット式なので簡単。折り畳むと、横9cmx縦19cmx高さ1.1cmとコンパクト。

 

一般的に奥地用やキャンピング用に使われるソーラー充電器を、紙のように薄く軽くし、環境にやさしいエネルギーの太陽光エネルギーを誰でも利用できるようにしたという点から、米ラスベガスで開催された2017年のCESでイノベーションアワードを受賞。ファッションアイテムとしてのデザイン性の高さも注目された。

 

完全独立型のワイヤレスイヤフォン

ロア・インターナショナルではモバイル生活が快適になる多数のアイテムを取り扱っている。「Beat-in Stick」は左右のイヤフォンが独立した超小型のイヤフォン。Bluetooth 4.1対応で、シングルイヤフォンでの使用やマイクを用いたハンズフリー通話も可能。リップスティック型のケースで、カラバリはiPhoneとも合わせやすい4色展開。

 

モバイルバッテリ付きモデルもある

「Beat-in Power Bank」は左右完全独立型のワイヤレスイヤフォンの収納ケースに2100mAhのバッテリを搭載したモデル。再生時間はフル充電3時間で、ケースに戻すことで約15回分の充電に対応する。Lightningケーブルを用意すればiPhoneへの充電も可能なのがうれしい。

 

ポケットサイズのワイヤレススピーカ

「EMIE CANVAS」は手軽に持ち運べるワイヤレススピーカ。フル充電で最大6時間利用可能、AUX入力端子も備え3.5mmラインケーブルでの接続にも対応。ファブリックと同系色のポリカーボネイト素材となっていて、ピンク、グレー、グリーンとインテリアとも合わせやすいデザインだ。