2017.01.04
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新MacBookプロに搭載されたタッチバー(Touch Bar)については、10月末の発表時点で「いまひとつ革新性に欠ける」という指摘もあった。しかしそれは、実機をほとんど使っていない段階での感想によるところが大きかったのでは? 発売から約1カ月使い込んでわかった、タッチバーの本当の魅力をお伝えしよう。
Touch Barとは?
現在発売中の新MacBookプロ(2016年10月末発表)で採用された、新たなタッチインターフェイス。従来のファンクションキーを廃する形でキーボード上部に組み込まれた、極細のマルチタッチディスプレイだ。表示される項目は、ユーザが今していることに応じて自動的に変化する。それをタップすることで、Macのさまざまな操作が可能。
ストレスフリーの心地よさ
正直にいうと、新MacBookプロが登場したとき最大の注目ポイントだったタッチバーには、当初あまり魅力を感じなかった。私はキーボードショートカットを駆使するようなMacのヘビーユーザで、「タッチバーに視線を移してボタンを押すより、指が覚えているキーボードショートカットを使ったほうが効率的」だと思ったからだ。パッと見は賑やかで楽しいが、タッチバーから呼び出せる機能は画面上のどこかに必ず存在しているはずであり、効率化にはあまりつながらないのではないか。それが発表当時の印象だった。
しかし、実際に自分が新しいMacBookプロを入手してしばらく使い込んでみると、その考えが誤りだということに気づかされた。
もちろん、タッチバーが100%便利だと手放しに絶賛するつもりはない。たとえばファインダに関していえば、正直タッチバーの効果はイマイチだと思う。タッチバーの「クイックルック」ボタンを押すよりも、スペースキーを押したほうが手っ取り早いからだ。
しかし、キーノートやナンバーズ、さらには「ピクセルメータ(Pixelmator)」や「アフィニティデザイナー(Affinity Designer)」といったサードパーティ製のクリエイティブソフトを使ってみると、その便利さに感動すら覚えた。この違いはどこにあるのか。
クリエイティブソフトでは特にその傾向が強いが、機能が豊富な分、ボタンが小さくなったりパネルを切り替えて呼び出したりといったことが多くなる。そうした小さなボタンにポインタを合わせるよりも、タッチバーのコントロールボタンに触れるほうが素早く実行できるし、ストレスも少ない。キーボードショートカットを実行する際の、指をいびつに曲げての複雑なキーの同時押しからも解放されるし、そもそもそうしたショートカットを覚える必要もない。これらの点において、タッチバーは効率化に確実に貢献していると思う。また、キーのように「押す」のではなく軽く「触れる」感覚だけで操作できるため、サクサクと動かす感じが心地よい。