2016.07.04
好きな場所で、好きなことをして生きていく。Apple製品を駆使しながら世界中を飛び回る四角大輔氏の、自由に生きるためのヒントが詰まったフォトエッセイ
ぼくが暮らす、ニュージーランドの湖畔の森には小さな集落があり、そこの住民たちが皆ナチュラリストであることは言うまでもない。さらにおもしろいことに、彼らの多くが、生き方や思想においてとてもリベラルなのである。
街から20キロも離れた不便な森に、わざわざ居を構えるほどだから、(ぼくを含め)もともと人とは違った嗜好や思考回路を持っている人が大半だ。そして、大自然に抱かれて毎日を過ごしていると、ぼく自身も、思考がより違う方向へシフトチェンジしてゆくのがわかる。それは、人間としてより根源的な方向であり、「現代社会の仕組みから逃れられない都市生活者にとっての当たり前」とは違う方向だ。
とはいえ、ニュージーランドも、OECD加盟国として資本主義制度下にある。当然、ほとんどの湖の住人たちは、お金の収入をベースに生計を立てている。
だが湖畔の住民の間では、小規模だが物々交換や物技交換が頻繁に行われる。これが、とてもおもしろいのである。
ぼくが提供できる技術は〈釣り〉、レコード会社プロデューサー時代に培った〈ブランディングスキル〉、そして〈体力〉だ。