OS Xのセキュリティ機能「Gatekeeper」ってどういう仕組みなの?|MacFan

レクチャー macOSのシンソウ

OS Xのセキュリティ機能「Gatekeeper」ってどういう仕組みなの?

文●千種菊理

知れば知るほど奥深いEl Capitanの仕組みを解き明かす

昔と今のセキュリティ認識

「ゲートキーパー(Gatekeeper)」はOS X10.8マウンテンライオンで導入された、ユーザの意図せぬソフトウェアの実行を阻止することで、安全性を高めるセキュリティの仕組みです。なぜソフトウェアの実行を制限することがコンピュータの安全性につながるのか? それは今と昔のコンピュータの使われ方の違いにあります。

かつてコンピュータといえば、「大型汎用機」や「ホストコンピュータ」と呼ばれる、大企業や国の機関に設置された、巨大で強力なものが各地に1台や数台程度存在しただけでした。1台の大きなコンピュータに複数のユーザが同時にアクセスして使用していたのです。

当時すでにマルチユーザ、マルチタスクで動作していたホストコンピュータの管理者権限を奪えば、ほかの人のデータを読み出したり改ざんができたりしたので、対策をしないと、データを盗む企業スパイや国家間の破壊工作になりかねませんでした。そのため、システム管理者の権限を守ることが重要視されたのです。UNIXには、当時のほかのOSに比べれば比較的単純ではありますが、強力な「管理者」と規律のある「一般ユーザ」というアカウントの種別がシステムレベルで用意されていました。

その当時のいわゆる「パソコン」はまだ非力で、乗っ取っても意味がない、せいぜい音を鳴らしたりデータを消したりといった「嫌がらせ」「愉快犯」がいた程度でした。




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