2016.02.06
OS Xヨセミテから組み込まれた新しいフレームワーク「Hypervisor.framework」。約1年前にも本誌で取り上げたこの技術が、ついにソフトウェアの形となりMacアップストアに登場した。その実力をレビューしながら今後のOS XにおけるマルチOSブートの意義について考察してみる。
話題のフレームワークを利用
2016年も明けて間もなく。Macアップストアに新しいソフトが登場し、話題となった。イスラエル発の「Veertu」という、OS X上でウィンドウズやLinuxといった異なるプラットフォームのOSを動かす、「仮想化ソフト」と呼ばれるジャンルの製品だ。
このジャンルにはすでにいくつもソリューションが存在するが、最後発であるVeertuが話題になったのはなぜか。それは、OS Xに搭載されているネイティブ仮想化フレームワーク「Hypervisor.framework」を利用した初めての市販ソフトだからだ。
OS Xヨセミテから新たに搭載されたこのフレームワークについては、約1年前に本誌で解説を行っているが、その際にはまだ「hvdos」という小さなDOSをエミュレートする実証環境が存在するのみだった。その後、昨年8月にはFreeBSD向けに開発されていたものを移植した「xhyve」がリリースされたことで大きく前進。しかし、インストールするにはXcodeが必要など、万人向けではなかった。