2016.02.02
オープンソースプロジェクトとして公開されたアップルの新プログラミング言語「Swift」。その使い勝手の良さから高い評価を得る今もっとも注目されている技術の1つだ。そのコミュニティを支えているのが「GitHub」。根強い人気を誇る彼らのサービスを支える理念とは何か。その真意を聞くことができた。
アップルが新たに採用
15年6月、アップルのデべロッパ・コミュニティにとって非常に大きな発表があった。それは、アップルが次期主力プログラミング環境として開発を行っている言語「スウィフト(Swift)」をオープンソース化するというものだった。そして12月上旬、予告どおりソースコードの公開が始まった。数多くのエンジニアがいま、夢中になってスウィフトの未来をアップルとともに作り出し始め、早くもさまざまな活用事例が出始めている。このエコシステムの広がりはかつてないほど速く、改めてオープンソース文化の強さを感じる事例として多くのメディアでも取り上げられている。
しかし、実際のところアップルのソフトウェア資産のオープンソース化というのは珍しいことではない。OS Xのコア・カーネルは、カーネギーメロン大学を中心に開発された「FreeBSD」というUNIXシステムをベースに開発されている。また、OS Xで取り入れられている多くの技術はオープンソースを源流としており、アップル製品に最適化された形で使われている。その成果は公式に開示されており、誰でも利用できるようになっている。
そういった意味でも、スウィフトの事例において注目すべきなのは、オープンソース化という「手段」ではなく、むしろ新たな公開先として「ギットハブ(GitHub)」を選んだことだった。
なぜアップルはギットハブで活動することを決めたのか。今回ギットハブ共同創業者の1人であるスコット・チャコン氏にインタビューする機会を得たので、その真意を聞いた。