2016.02.03
2015年の始めに登場したMacBookはMac初のUSB-Cポートを備えて登場し、業界の話題をさらった。電源と通信のインターフェイスを兼ねた革新的な規格であるが、業界ではあまり普及が進んでいない。そんなUSB-Cが、今年に入って急速に脚光を浴び始めた。
USBと電力供給の歴史
1996年に登場した汎用シリアルバス規格であるUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)はその高い汎用性と拡張性により、現在の情報機器においてもっともポピュラーなインターフェイスとなった。USBは通信用のインターフェイスだが、利便性を高めるために小電力デバイス用の電源を供給するバスパワー機能を備えており、これを使って電力のみの供給を受けるデバイスや、内蔵するバッテリの充電を行うガジェットも多数登場した。たとえばUSBライトやUSB扇風機などは厳密にはUSBデバイスではないが、USBポートから供給されるバスパワーを使って動作する。
また、iPodやiPhoneなどの携帯機器はUSB接続でホスト機器とデータ通信を行うのと同時に、ホスト機器からのバスパワー供給を受けて内蔵バッテリを充電することも可能で、専用のACアダプタ(充電器)も充電専用のUSBポート(タイプA)を備えている。
USBのバスパワーはその供給電圧が5ボルト固定で、USB2.0までは最大で500ミリアンペア、USB3.0以降は最大900ミリアンペアを供給することができる。しかしスマートフォンやタブレット機器などへの高速充電の需要を受け、これを強化するために2007年、USB BC(USBバッテリ・チャージング・スペシフィケーション)規格が策定された。