野呂エイシロウの「ケチの美学」第77回|MacFan

アラカルト ケチの美学

野呂エイシロウの「ケチの美学」第77回

文●野呂エイシロウ

人気放送作家が語るケチとアップルの交差点。

プロとの会話を楽しむ

最近、先輩方とご一緒して学んだことがある。それはプロとの会話を楽しむということだ。

モナコやカンヌでは、夜はもちろん、ランチでもシャンパンやワインを楽しんだ。昼からフルコースだ。それまで僕は、ワインはソムリエにおまかせだった。

でも、先輩方は違っていた。

「暑いから白で。甘味がちょっとあるものを」「樽香がするものを」「ブドウ品種はピノ・ノワールで」と細かく希望を出す。

なにせワインを1本頼むのに3分ぐらいはかけている。

「こっちにしようかな?」「ハチミツっぽいのは?」と懸命にワインを選ぶ。

選んでいるのではない。プロのソムリエとの会話を楽しんでいるのだ。そう、一期一会を喜んでいるように。

「僕はこの店に来たのは数回目だけど、彼(ソムリエ)はここで毎日働いている。だからなんでも知っているでしょ」と話す。

先日、先輩に誘われて沖縄へ行った。そのときも料理ひとつ、ワインひとつ選ぶのにも自分の思いや好みを必ず話していた。

それはもはや注文ではない。ソムリエやスタッフと会話を楽しんでいるのである。先輩方はプロとの会話を楽しんでいた。

そこには、サッカー元日本代表の方もいらっしゃった。プロ中のプロである。プロの話は本当に面白かった。いろいろなエピソードや精神的なことも学んだ。

やはりプロの話は面白い。体験者ではないとわからないことがたくさんある。プロとゴルフに行ったときも学びが多い。

このMac Fanだって、アップル製品に詳しいプロがたくさんいる。そんな人々の見解は面白い。スタバでコーヒーを選ぶときも会話が楽しい。プロと接する環境にいるだけで十分楽しいのだ。

ネット時代の今日において、ECサイトの買い物は便利だ。だけど、リアルな場では、プロの会話を楽しむ。すると人生はちょっとだけ豊かになる。

せっかくの出逢いを最大限に楽しむ。ケチの極意かもしれない。

 

ニースのレストランにて。プロ集団の集まりだった。

 

 

EishiroNoro

放送作家、戦略的PRコンサルタント。毎日オールナイトニッポンを朝5時まで聴き、テレビの見過ぎで受験失敗し、人生いろいろあって放送作家に。「元気が出るテレビ」「鉄腕DASH」「NHK紅白歌合戦」「アンビリバボー」などを構成。テレビ番組も、CMやPRをヒットさせることも一緒。放送作家はヒットするためのコンサルタント業だ!と、戦略的PRコンサルタントに。偉そうなことを言った割には、『テレビで売り上げ100倍にする私の方法』(講談社)『プレスリリースはラブレター』(万来舎)が、ミリオンセラーにならず悩み中。