なまこサバイバル(4)
(サヤのほうへ) 血の色をした電車に乗って 私たちはすすむ サヤ と呼ばれる方へ 青あらしの日 血の色をした電車に乗って ナゴヤ サヤ あるいは西へ 電車のかたちをした静脈のなかを 誰かとてつ.....
遊具の時間、1
うれしいと 口にだして みたのです ほこらしく名前を 忘れて、公園、うれしい 「わたしのつぼみも ふくらんでゆきます」 「うそつき」 うすももの舌ぺりぺりと剥がれおちさくらはなび.....
幻書の街から(石田瑞穂)
その街の本屋という本屋 書架という書架におさまった 本は、ページがなくて背表紙しかない。 箔押しのタイトルがしめすのは ある一筋の忘却のかたち。 ここにいるのはみんな幽霊 春雷や野芹とおなじ存在、 「言葉、言葉、言葉」と.....