きみの瞳に鬼がいるから帰らないぐらりぐらりと西日がゆれる
人形遣いを恋うるがごとく人形が濡れた砂場に散らすさふらん
ふるえながら地平線へ消える
みなひとつだけ呪文をもって
つくられた命なにがうれしい
わすれられる傘、雨上がりに
手足の足りない、冬の切間に
いつか出会うと、混じる靴底
引き剥がし
裸体の少女、少女たち
摘むも摘まれるも零度のかけひき
フリータイム・B型血液・経験不問 胸の文鳥ぬすまれながら
雑踏のなかでiPhone持っているという目印であなたと出会う
すきでした。
気づいてすぐに失恋し
新宿東口、春果実
密室のウェイトレスすら
膨らんでゆく
そらおそろしい
中央線、速度増せ
失恋したのです
沸点まぬがれない献血、チョコレート忘れたまま
2014.2.27