香川女流王将が飛車を切って先手陣に迫る。局面は緊迫した終盤戦に突入した。後手からは△４九と～△５九ととわかりやすい攻めがあるが、その後の寄せの構図をどう描くか。先手は駒損は避けられなさそうだが、大駒を多く保持している。うまい攻めはないか。
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甲斐女流王位が▲８五桂と跳ねて飛車を自陣に利かすと、香川女流王将は△８四金（図）と打って攻め駒を責めた。飛車を逃げれば△８五金と桂を取って、急所の△６六桂が生じる。先ほどまでは先手陣に攻めかかっていたが、一転自陣へ駒を打つ視野の広さが光る。「この手はいい手です」と中座七段。
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■香川愛生女流王将
―― 一局を振り返っていただいていかがでしょうか。
香川　ずっと難しかったと思います。お互い居玉で。
―― 形勢がよくなったと思った局面は。
香川　飛車を切った（△３七飛成）ところは実戦的にいこうと。ちゃんとやったら受かっちゃいそうな形になってしまったので......。
―― ２回戦の抱負をお願いします。
香川　奨励会では香落ちで指したことが一回あるのですが、平手で指すのは初めてなので、精一杯がんばりたいと思います。


■甲斐智美女流王位
―― 同じように一局を振り返っていただいていかがでしょうか。
甲斐　端を突き合ったところで美濃囲いを目指したのがちょっと危険だったかなと思ったのですが......難しかったと思います。△８四金には飛車を逃げたほうがよかったかもしれません。本譜ははっきり悪くしてしまったと思いました。

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