16時頃、加藤桃女流三段が桂得を果たしました。△７七桂の強烈な打ち込みも残っており、後手がはっきり優勢になりました。清水女流六段は苦戦に加えて一分将棋に突入しており、時間の面でもつらい展開です。

（加藤桃女流三段はこのまま押し切れるか）

（康太）

優位に立った加藤桃女流三段ですが、一気に先手陣に攻め込むことはしません。△３五歩と打ち、次の△２四歩の捕獲を見せて焦らせています。先手は忙しくなってきましたが、暴れる手段は相当に難しそうです。加藤桃女流三段は堅実な手を積み重ねてゴールに近づいています。

（康太）

加藤女流三段が挑戦者決定戦を制し、西山朋佳女王への挑戦を決めました。五番勝負第１局は４月７日（火）、神奈川県秦野市「元湯 陣屋」で行われます。

（文）

（終局直後、まず加藤桃女流三段がインタビューに応じる）

――本局を振り返って
加藤桃女流三段　先手の手に乗って指していく感じになりましたが、難しい将棋でした。中盤で桂得し、その桂を５六に打つ攻めができてよくなったと思います。
――挑戦権を獲得して
加藤桃女流三段　まずタイトル戦を戦えることが嬉しいです。相手の西山女王は各棋戦で活躍されていて勢いがありますがそれに負けないよう、精一杯指したいと思います。

（続いて清水女流六段）
――本局を振り返って
清水女流六段　▲９七角～▲７五角と自分から動いていったのですが、思った以上にうまくいきませんでした。そのあたりでバランスを崩してしまいましたね。

（康太）

（勝った加藤桃女流三段。春から西山女王とのリターンマッチに臨む）

（わずかなリードを徐々に拡大し、最後は鋭く決めた）

（清水女流六段は実力を発揮できなかったか）

（感想戦は手短に15分ほどで終了）

（康太）