図の▲６五銀に室谷女流二段は△７七金と飛車を見捨てる強手を放ちました。以下▲５四銀に△２五桂とアクロバティックに立ち回りましたが、これがやや指し過ぎだったようで、先手にチャンスが巡ってきます。


図は14時40分過ぎの局面。手番の回ってきた先手が反撃に出ています。
「これはもう一手違いの将棋になっていますね。形勢不明で、もしかしたら先手がよくなっているのかもしれないぐらいです」（渡辺大夢四段）

（八雲）

図は15時過ぎの局面。
逆転模様といわれていましたが、前図の▲６四歩に△５五角の王手から歩を外したのがいい頑張りになって、踏みとどまったといわれています。局面はほぼ互角で、ここからが勝負どころになりそうです。

（八雲）

逆転模様と見られていた本局ですが、先手がリードする具体的な手段が見つからず、いつのまにか後手の攻めの厳しさが増しています。
「現局面ははっきり後手がよくなっています。こうなってみると、先手が盛り返したとはいえ、後手の△５五角から△６四角と歩を払った順が最善で、逆転には至っていなかった感じです」（渡辺大夢四段）

（八雲）

時刻は16時を回りました。
「攻めを自然に続けるには▲５二歩成ですが、それは△同金と取ることができます（▲同成銀は△２一馬）。先手は攻め続けたいのですが、その手段が見えません。後手が勝勢になったと思います」（渡辺大夢四段）

（八雲）

102手まで室谷女流二段が勝って初のベスト４進出を果たしました。終局時刻は16時18分。消費時間は、▲中村２時間53分、△室谷２時間33分。

（八雲）