△６九角と室谷女流二段が敵陣深く角を打った局面。▲８八飛には△５八角成▲同飛△６七香成で挟撃する形だろう。後手の駒が急所に利いており、優勢は間違いないだろう。

（△６九角と打って決めにいった室谷女流二段）
　

△５九金と△４九金までの詰めろを掛けた局面。後手の攻めが振りほどきにくく、室谷女流二段が勝勢だ。
 

図は▲７五香と飯野女流１級が打った局面。危うかった先手玉が、懸命の防戦で混戦になった。▲７五香に△７三桂と跳ねたいが、▲９四角△同歩▲３一飛△６二玉に▲２一飛成と桂を取った手が▲７四桂までの詰めろ。形勢は混沌としてきた。
　

16時38分、94手で室谷女流二段の勝ちとなりました。消費時間は▲飯野女流１級３時間０分、△室谷女流二段２時間20分。勝った室谷女流二段は２回戦で中村真梨花女流三段と対戦します。

（琵琶）

（室谷女流二段）

―― 一局を振り返ってみて、いかがでしたか

室谷 相振りの力戦形だったので、一手一手がよく分からなかったです。

―― 居玉の棒銀は意欲的だったと思うのですが。

室谷 予定ではなく、初めてやって、よく分からなかったのですが。

―― よくなったと思ったのは？

室谷 △１九銀（48手目）が入ったのは大きいかなと思いました。そのあとは、うっかりの連続で、おかしくしてしまったのですが。


（飯野女流１級）
　
―― 一局を振り返ってどうだったでしょう。

飯野 形勢がよく分かっておらず、苦しいのかなと。▲１三銀（45手目）は勝負手気味だったのですが。銀打ちは将棋の手じゃなかった。