後手は７筋の歩を切り、さらに６筋に戦力を集めました。先手は11時31分、▲２四歩（図）で反撃に出ようとしています。△２四同角には▲６五歩が香取り。△２四同歩には▲３五歩△同歩▲４五桂とし、以下△４四角なら２筋の歩を切り、△４二角なら▲６五歩が香取りです。

（鈴木女流三段はペースを握ろうと積極的に動く）

（牛蒡）

図は11時ごろの局面。香川女流三段は振り飛車をよく指しますが、本局は先手雁木、後手左美濃の相居飛車の戦いになりました。香川女流三段は袖飛車にし、先手陣の弱点である角頭を目標に動こうとしています。よくありそうな形ですが、同一局面の前例はありません。




（牛蒡）

両者はYouTubeでも活動しています。

鈴木女流三段は「森内俊之の森内チャンネル」にレギュラー出演し、チャンネル内の企画「鈴木環那 タイトル戦への道」では、森内九段のアドバイスを受けつつ棋力向上を目指し、最終的にはタイトル挑戦を目標にしています。同企画の最初の動画がアップされた６月26日以降、鈴木女流三段の女流棋戦成績は11勝３敗とよく勝っています。


香川女流三段の「女流棋士・香川愛生チャンネル」はチャンネル登録者数が棋界最高の14.2万人。ほかにも「株式会社AKALI」を設立・運営するなど、盤外でも活躍の場を広げています。盤上でも直近11局は９勝２敗、３連勝中と調子を上げています。また、勝数規定による女流四段昇段まで、あと７勝と迫っています。


（牛蒡）

対戦成績は鈴木女流三段３勝、香川女流三段５勝。対局日、勝者、総手数、棋戦名を以下に記します。戦型は対抗形が６局（鈴木＝居飛車、香川＝振り飛車）、相居飛車が２局。直近２局は香川女流三段の三間飛車です。相飛車はどちらも力戦形で、ひとつは角交換系の将棋、もうひとつは先手香川＝矢倉、後手鈴木＝雁木右玉の戦いでした。

2012/06/13 香川 118手 第39期ユニバーサル杯女流名人戦Ｂ級
2012/12/19 鈴木 117手 第24期女流王位戦挑戦者決定リーグ紅組
2014/02/18 香川  82手 第25期女流王位戦挑戦者決定リーグ白組
2014/06/13 香川  97手 第41期ユニバーサル杯女流名人戦女流名人リーグ
2018/09/28 香川  95手 第12期マイナビ女子オープン本戦
2019/04/15 香川 140手 第1期ヒューリック杯清麗戦予選
2019/08/19 鈴木 104手 第46期岡田美術館杯女流名人戦女流名人リーグ
2020/04/21 鈴木  85手 第47期岡田美術館杯女流名人戦女流名人リーグ

【第12期マイナビ女子オープン本戦 ▲香川－△鈴木】
https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/result/12/mynavi201809280101.html

（牛蒡）

鈴木女流三段が上座で待ち、香川女流三段が９時59分に入室しました。振り駒は鈴木女流三段の振り歩先で、結果は歩が３枚。鈴木女流三段の先手です。対局開始は10時３分でした。

（鈴木女流三段は第６期に挑戦者決定戦まで勝ち上がった）

（香川女流三段の最高成績は第９期と第12期のベスト４）

（記録係の塚田恵梨花女流初段が振り駒を行った）

（対局室は飛燕の間）

（牛蒡）