対局が始まり、後手の熊倉女流初段が飛車を4筋に振った。「四間飛車」と呼ばれる戦法だ。これに対し、清水女流王将は▲7五歩(図)と7筋の位(くらい)を取った。「玉頭位取り」と呼ばれる戦法で、急戦を得意とする清水女流王将としては珍しい選択。後手の美濃囲いに対して、上からじわじわと圧力をかけていく狙いである。7筋は美濃囲いの急所で、将来▲7四歩と突く手が先手の切り札になる。反面、この位を確保するには手数がかかり、その間は隙を見せないよう細心の注意が必要となる。
この後じっくりした展開になれば、7筋の位がものをいってくる。後手は位に正面から立ち向かっていくのか、それとも盤面の右側で動きを見せて先手陣を揺さぶるのか。熊倉女流初段の作戦に注目だ。
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【清水市代(しみず・いちよ)女流王将】
女流棋士番号19。1969年1月9日生まれ、東京都東村山市の出身。(故)高柳敏夫名誉九段門下。1984年に育成会入会。1985年4月、2級昇級しプロデビュー。2000年10月、六段。タイトル獲得は43期(女流名人10、女流王将9、女流王位14、倉敷藤花10)。獲得したいずれのタイトルでもクイーン資格を持つ。棋戦優勝は10回。
「熊倉さんはかわいくて、礼儀正しい。育成会のときに記録を取ってくれているので知っていた。対戦が少なく、若い人は1局で強くなるので、固定観念は持たないようにしています。熊倉さんの最近の対局を調べたいと思う。一局一局自分らしい将棋を心掛けたい」(週刊将棋紙のインタビューより)
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