[将棋]マイナビ女子オープンブログ|将棋情報局

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130130_kifu_88.gif後手が△4七銀打(図)と食いついた局面。穴熊が気分よく攻めているようだが、中継室では背筋がぞっとする話が出た。


「▲4一金と打つと?」

130130_kifu_a.gifぽとんと置かれただけのようだが、恐ろしい狙いを秘めている。それが▲4七金△同銀成に▲2二竜! 銀が入れば竜切りからの即詰みがあるのだ。では、後手がこれを受ける手段を考えてみよう。持ち駒がないので竜の利きは止まらない。△1四歩と脱出口を開いても、角がじゃまで逃げ道がない。△8一竜と引く手はある(▲4七金に△4一竜の意図だ)が、「▲5三桂とつないでおけば現状維持できます」と阿部健五段。つまり受けが難しいのでは、というのが結論だ。


実戦、甲斐女流四段は▲2九金打の受けを選択。先手はチャンスを逃してしまったのだろうか?



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(文)

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130130_kifu_82.gif鈴木女流二段は△4九銀(図)と先手玉に迫る。筋の攻めで、このように一枚一枚守備駒をはがしていく「速度勝負」は穴熊大得意の展開だ。後手玉は遠いので、王手がかかるまでの手数がまるで違ってくる。「先手の角も負担になっていますね」と阿部健五段。角がいることで受けるスペースがなくなり、またこの角自体が狙われることと合わせて受けにくくなっている、というわけだ。中継室では、先手は直前の▲4四銀打が疑問だったのではないか、と言われている。後手玉を薄くするメリットよりも、後手の攻め駒を増やすデメリットが大きそうだ。



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(文)

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130130_kifu_74.gif先手は飛車をさばきつつ銀を取り、後手は桂を取って手番を握った。先に攻めている後手が有望そうな局面だが、歩切れなので攻め方が難しいのも事実。阿部健五段は「後手持ち」と話しつつも、「後手も攻めが細いので」と不安要素を挙げる。鈴木女流二段はどのように手をつなげていくのだろうか。実戦は▲4五同銀△4六桂▲6二飛成(下図)と進んだ。
130130_kifu_77.gif金取りなので反射的に△3三金寄と受けてしまいそうだが、阿部健五段はすぐに「手抜かれるのではないか」と声を上げた。「▲3二竜と金を取った局面で穴熊に詰めろがかかるかどうか。多分うまくはかからないと思うんですよ。なので△3八桂成▲同金△4六銀▲3二竜△4七銀成▲同金△4六金と一直線に進めると......」。これは先に先手玉に詰めろがかかる流れだ。穴熊の遠さがいかに恐ろしいかよくわかる。さらに後手は一直線に攻めるのではなく、途中で△4二金打とし竜を捕獲する選択もある。手抜いての強攻も十分有力なようだ。


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(モニタを見る阿部健五段)

(文)

第6期 >> 本戦準決勝

残雪

2013.01.30

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130130_kifu_67.gif甲斐女流四段は▲7七桂(図)と跳ねた。後手の飛車成りを許すが、その分駒のさばきでポイントをあげようという順だ。ただ、後手の飛車に比べると先手は飛車がさばけるかどうか不安があるところ。そして相手は穴熊だけに、ここでバランスを崩すと、そのまま大きく流れを持っていかれかねない。綱渡りのような一面もある手だ。この先手の試みはうまくいくのだろうか。鈴木女流二段はこの手を見ると、手を止め時間を使い始めた。


(文)