後手が△4七銀打(図)と食いついた局面。穴熊が気分よく攻めているようだが、中継室では背筋がぞっとする話が出た。
「▲4一金と打つと?」
ぽとんと置かれただけのようだが、恐ろしい狙いを秘めている。それが▲4七金△同銀成に▲2二竜! 銀が入れば竜切りからの即詰みがあるのだ。では、後手がこれを受ける手段を考えてみよう。持ち駒がないので竜の利きは止まらない。△1四歩と脱出口を開いても、角がじゃまで逃げ道がない。△8一竜と引く手はある(▲4七金に△4一竜の意図だ)が、「▲5三桂とつないでおけば現状維持できます」と阿部健五段。つまり受けが難しいのでは、というのが結論だ。
実戦、甲斐女流四段は▲2九金打の受けを選択。先手はチャンスを逃してしまったのだろうか?
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