■西山朋佳女王
――▲２二角成（11手目）で前例から離れたと思います。温めていた作戦ですか。
西山 いろいろある中での変化かなと。
――▲６五桂（53手目）と強く反発されたあたりの成算はいかがだったでしょうか。
西山 いろいろ変化が多いので手になるかはわからないかなと思っていました。
――優勢になられたと感じたのはどのあたりでしょうか。
西山 ▲８三飛成（83手目）で詰めろが続くかなと思って、そこでよくなったかなと思いました。
――第５局は永世女王が懸かった対局になります。永世称号が懸かる対局は初めてになりますが、どのような気持ちで臨まれますか。
西山 もう一局指せるということで大事に指したいと思います。
――女流王位戦と里見女流四冠との対局は続きますが、改めて意気込みをお願いします。
西山 大一番が続きますので、しっかり準備して臨めたらと思います。
■里見香奈女流四冠
――相振り飛車は予定の作戦だったのでしょうか。
里見 そうですね、はい。
――▲２二角成（11手目）で前例を離れましたが、研究の範囲に入っていた手でしょうか。
里見 読みにくい作戦だったかと思います。
――△３五歩（46手目）と先に仕掛けましたが、自信の仕掛けだったのでしょうか。
里見 整備する順もあるかなと思ったんですけど、動きたくなっちゃって。
――終盤は苦しいと感じていたでしょうか。
里見 そうですね、△４六銀（54手目）と出たあたりの攻め方があまりよくなかったので。
――第５局に向けての意気込みをお願いします。
里見 コンディションを整えて頑張りたいと思います。
（文）
第15期マイナビ女子オープン五番勝負第４局は、85手で西山女王が制しました。終局時刻は16時27分。消費時間は▲西山２時間37分、△里見２時間49分。これにより、シリーズ成績は互いに２勝ずつのタイに。第５局は、６月13日（月）に東京・将棋会館で指されます。
（睡蓮）
両者の残り時間が少なくなってきました。控室は深浦九段と鈴木九段が継ぎ盤で検討していますが、西山女王が有望という評判です。里見女流四冠は玉の薄さの分、苦しい戦いになっているようです。
（文）
昼食休憩明けから局面が動きました。互いに桂を跳ね出して激しくなっています。里見女流四冠の△７三桂（56手目）は守りの桂も攻めに使おうという強気な手です。ここから▲４七歩△３七歩▲２七金△３五銀▲７三桂成△同銀▲６五桂△６四銀▲７五歩と進みました。
攻めに厚みを加える▲７五歩（65手目）は筋中の筋という一着で、金銀の位置の違いで玉の安定度は先手に分があります。攻め合いは先手の条件がよさそうで、西山女王が得意とする展開になってきました。
（文）