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第7期 >> 本戦1回戦

練りに練られた立ち上がり

2013.10.31

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20131031_kifu_13.gif▲6八銀(図)と上がった局面で香川女流王将が手を止めている。何気ない序盤戦だが、後手の指し手にはさまざまな工夫が凝らされている。まず、注目は初手から▲7六歩△3四歩▲7五歩に△1四歩という端の打診。先手が受けなければ△1五歩と突き越して居飛車にし、玉側の端の位は大きいと主張するわけだ。そこで▲1六歩と受けたのが本譜だが、これに△5四歩と突いて相振り飛車を目指したのが周到な順。すぐに▲7八飛とまわるのは角交換から△4五角の筋があり、このとき▲7六角が利かない。先手は▲6六歩と角道を止めてから石田流を目指すことになるが、すると相振り飛車にしたときに後手だけ角道を開けて駒組みができる。1筋の突き合いも、後手にだけ端攻めの権利があると捉えることができる。練りに練られた序盤戦だ。

(文)