先手番となった室谷女流初段は中飛車を選択。対する塚田アマは５筋の位を取らせる方針で、戦型は「先手版」ゴキゲン中飛車となった。▲５四歩（図）と歩交換にいったのが珍しい指し方。△４三金▲５三歩成△同銀▲５七銀△５四歩（下図）と進み、後手は手順に金銀を動かすことができた。

先手は歩を伸ばし、手数をかけて盤上から歩を消したので、よくある形に比べ手損になっている。

こちらは前期の本戦から、▲甲斐智美女流四段（現女流王位）－△鈴木環那女流二段戦の局面。後手は同じ形だが、先手の手が本局に比べ進んでいることがわかる。本局ではそれだけ先手が手損しているわけで、同じように進めれば後手十分になるだろう。室谷女流初段はどんな作戦を用意しているのだろうか。
（文）