飛車角交換のさばき合いになりました。振り飛車の左桂がさばけているのが大きく、振り飛車有利の展開です。ただ相手は穴熊。細心の注意が求められる局面とあって、矢内女流五段が時間を使っています。

（紋蛇）

本局の模様は週刊将棋１月21日号に掲載されます。そちらもあわせてご覧ください。


（今週発売中の週刊将棋。和田女流初段は「私のお気に入り」に出ている）

（紋蛇）

和田女流初段は▲７六角に△７九と。穴熊らしく飛車取りを手抜いて攻め合いました。

ここで▲４三成桂か、それとも▲８五角か。実戦は▲４三成桂でした。


高見五段は△４三同金▲同角成△３一歩▲９八馬△６九と▲８九馬△６八と▲同金△７七銀成の進行を予想しており、こうなれば差が詰まっているように見えると話しています。



▲４三成桂に代えて、▲８五角と飛車を取る変化も有力でした。

以下△６九と▲同金△同竜。振り飛車が攻められているようですが、そこで▲８六角や▲５八金で急にはつぶれません。



もちろん矢内女流五段はそれらを比較したうえで▲４三成桂を選んだものと思われます。終盤の構想に注目です。


（再開時の矢内女流五段。中終盤のねじり合いに定評がある）

（紋蛇）

△３一歩に矢内女流五段が踏み込みました。▲８六角！△同飛▲４二金。


つぎに▲３二銀と打てば必死がかかります。以下△３二同歩は▲同金。後手は２一の地点が受かりません。


しかし、それを未然に防ぐ△８二飛が好手です。


飛車が守りに利いてきたので▲３二銀は△同歩と取られて続きません。▲５二歩が筋ですが、△同金▲同金となるとやはり▲３二銀が打てなくなっています。それは先手が駒を得しても穴熊が寄らないので不満です。

（紋蛇）