(勝利した甲斐女流二冠)
-「お疲れ様でした。一局を振り返っての感想をお願い致します」
甲斐女流二冠「序盤はこちらが主導権を握ることが出来たので指しやすいかと思っていましたが、中盤で△6八歩(62手目)と打たれて、こちらの応手が悩ましたかったですね。ただ、本譜も駒得にはなるので指せるとは読んでいました」
-「伊藤沙恵女流初段との2回戦、意気込みをお願い致します」
甲斐女流二冠「伊藤さんとは研究会で指したこともあります。昔から強い子だと思っていたので、こういった場所で戦えるのが楽しみです」
(残念ながら敗れた今井アマ)
今井アマ「序盤は指しにくいと思っていました。中盤で△6八歩と打った局面はまだ難しいかなと思っていたのですが、そこから駒を取られる展開となってしまい......」
感想戦で甲斐女流二冠から「対応が難しい」と感想が出ていたのが、【図】の局面。
今井アマも、「難しいながらも、戦えるのでは」と話していた。
本譜は▲9九飛と避けたが、もし▲6八同飛と取っていたらどうなっていたのだろうか?
感想戦で並べられたのは、▲6八同飛以下、△9四飛▲9六歩△9五飛▲同歩△7七香成▲9八飛△7三桂▲7四銀△8七成香▲6八飛△6六歩▲7三銀成△7七成香▲9八飛△6七歩成。【参考図】
「と金攻めがどのくらいか......難しいですね。強くこちらを選んでも、まずまずだと思います」(甲斐女流二冠)
「あまり自信ないですが、これもあったかと。本譜よりはよかったと思います」(今井アマ)
中盤の難しい局面、△6八歩を▲同飛と取る選択肢が悪手というわけではないようだが、本譜はより紛れのない選択肢を甲斐女流二冠が選び、危なげない展開で勝利を収めるという一局だった。