図は△６二銀と上がって固めた局面。14時を回ったがまだ駒はぶつかっていない。「どこから駒をぶつけるのだろう」と高崎六段。「▲２四歩△同歩に▲７五角は△５三銀の余地もありますし、△２五歩も気に掛かります」と続ける。互いに４枚で囲い合い、戦端はどこから開かれるのだろう。

（千駄ヶ谷は小雨が落ちてきた）

（吟）

清水女流六段が40分以上考えて▲７五角を着手。決断のぶつけだ。「行きましたね。△５三銀と上がるのは▲８六角と引かれて後手が面白くない。なので△７五同角▲同歩△３六歩に▲４三角△３五飛ですかね。以下▲３六歩に△４八角（参考図）で難しいです」と高崎六段は話す。また清水女流六段の残り時間が１時間を切ったと情報が入った。

（40分以上の時間を使い、決断の角ぶつけの順を選んだ清水女流六段）

（吟）

（61手目▲２四歩を着手する清水女流六段）

▲４五歩△同飛に▲２四歩と清水女流六段が攻め掛かる。先に▲２四歩△同歩に▲４五歩は△３四飛と寄られる手が気になったか。４五を取ってからなら変化の余地はない。以下△４八飛成▲２三歩成△２五歩▲２七飛△３八竜▲３三と△２七竜▲４二との進行は先手が指しやすい。

（吟）

△５五歩と井道女流初段が突いた局面。次は△５四歩の取り込む狙い。▲５五同歩なら５筋に歩が立つようになり、いつでも垂らしが可能になる。△５五歩では△６八銀と引いて角をぶつける手も有力だった。懸案の角がさばければ後手にとっても悪い話ではない。「△５五歩には手抜く手もあります。▲４三歩と打って△同竜と引かせてから▲５五歩と手を戻すか、▲３二竜として４一の歩や▲４三歩を狙うか。△５五歩の局面は先手を持ってみたいですが、差はほんのわずかです」と高崎六段。

▲２一竜と清水女流六段が１二から竜を動かした局面。次は▲４一竜が狙いだが、わかっていても受けにくい。△５一角と引いて受けるのは▲５六金で後手は攻めに困る。「▲２一竜が好手ですね。竜・銀が動きにくいです。う～ん後手は困りましたね。先手が優勢だと思います」と高崎六段。

（優勢の局面を作った清水女流六段）

（吟）