――　一局を振り返って、まず序中盤はいかがでしたか。

里見　あまり指したことのない将棋だったので、よく分からなかったですけど、

ただ後手番で仕掛けることが出来たので指しやすいかなと思っていました。

――　指しやすいと思っていたのはどの辺りですか？

里見　△５五銀（40手目）から銀交換した辺りですね。

△９三角（48手目）に▲５七銀と進んで銀を使ってくれるなら指しやすいと思いました。

――　勝ちもしくは優勢を意識した局面は？

里見　△７六銀（98手目）と押さえて、△３四金と払った局面は詰めろが続かないので

勝ちかなと思いました。

――　これで挑戦者になり、五冠を目指すことになったわけですが意気込みを。

里見　そうですね、新しい棋戦でタイトル戦に出ることが出来て凄く嬉しいです。

どのようになるか分かりませんが充実させられるように自分なりに頑張りたいと思います。

――　一局を振り返っていかがでしたか。

鈴木　もう少しいい将棋を指したかったんですが、内容のない将棋にしてしまいました。

△５五銀とぶつけられて先手番なので指し方がおかしかったかなと。端に角を出られて

▲５七銀と打つようではちょっと悪いなぁと。もう少し前に出る将棋を指したかったんですが

里見さんを前に出ることが出来なかったですね。

――　里見さんのマイナビ本戦の戦いをどのように見ましたか。

上田　本戦に入って、里見さん以外の将棋も一局、一局、見させて頂いたのですが。里見さんの将棋に関していうと危なげなく勝ち進んでいたのかなという印象です。

――　直前に女流名人位戦もありました。昨日は大和証券杯女流最強戦、決勝進出おめでとうございます。ご自身の調子はどのように感じていますか？

上田　あまり調子というものを気にしたことがないのですが、直前の将棋がこうだったから、こういう風に戦おうという考え方をしたことはないです。あくまで一局、一局それぞれ分けてといいますか目の前の将棋に全力を尽くそうと思っていますので、調子の良し悪しというのは考えていないです。

――　第１局の「陣屋」、第２局の福島県郡山市の印象をお聞かせ下さい。

上田　「陣屋」で対局させて頂くのは私自身３度目になります。毎年、毎年、「陣屋」の空気が大好きで今年も楽しみです。第２局は初めての場所になるのでどうなるか想像がつかないのですが、東北の方でいろんな方とご縁があるのでそういった方にお会いできるのが楽しみですし、いい将棋が指せればなと思っています。

――　２度目の防衛戦になります。意気込みをお願いします。

上田　女流名人位戦がこの間、終わったばかりですが、結果は２勝３敗で敗れてしまいましたが、今回は防衛戦ということで女流名人位戦とは立場を入れ替えてということになります。私自身が２年間、女王を名乗らせて頂いた、そういった成長の成果を見せられたらと思います。

――　今日の将棋をもう１度振り返って頂きたいのですがいかがでしょう。

里見　指し慣れてない将棋だったのですけども、いくつか苦しくなる変化もあって本当に難しい将棋だったかなと思います。

――　本戦トーナメントの１回戦、２回戦を振り返っていかがだったでしょう。

里見　１回戦は一局を通してよかったと思います。２回戦は形自体は怖いところがあったのですが、ただ終始、押し切れたんじゃないかなと。

――　昨日は奨励会例会だったわけですが、ご自身の調子はどうですか。

里見　奨励会は（昇段を）決めるつもりだったのですが、悔しいです。今日は場所を変えて指すので気持ちを切り替えて指せたのが良かった。あまりちょっと内容自体は良くないので五番勝負が始まるまでしっかり調整していければいいかなと思います。

――　五番勝負の相手が上田女王です。女流名人位戦でも戦ったばかりですが上田女王の印象を教えて下さい。

里見　女流名人位戦の前に対局した時とかなり印象が違いまして、（女流名人位戦は）いろんな戦型になったのですが。今回も自分なりに充実するんじゃないかなと思っていますし、また上田さんと番勝負を指せることに関して凄く楽しみです。

――　五番勝負は第１局が「陣屋」、第２局が福島県郡山市で行われますが対局場の印象を教えて下さい。

里見　第２局のところはまだ行ったことがないので凄く楽しみです。第１局の「陣屋」はタイトル戦でも数々の名局が行われている場所で、タイトル戦も見に行ったこともあります。自分がそういったところで戦えるというのは夢のようというか不思議な感じです。

――　女流五冠を目指す番勝負になるわけですが意気込みをお願いします。

里見　勝敗はあまりこだわらないようにして、シリーズが終わったときに何か１つでもいいので成長したところがあったなと思える五番勝負に出来ればいいかなと。