14時17分の局面。先手は後手の９筋攻めを逆用して攻めかかっています。しかし、図の局面は６七金と９五香の両取りがかかっているともいえます。先手が後手玉を追い詰めているのか、それとも両取りを見せられて窮しているのか。非常に難しい局面です。
（長谷川女流二段）
（牛蒡）
91手目▲７九桂、そして図の▲８八桂と、先手は苦し気な受けを強いられるようになりました。９五に残った歩が後手のものである点も大きく、後手が抜け出しつつあります。
（対局開始前の風景）
（牛蒡）
後手から仕掛け、先手が逆用しようとした９筋の攻防ですが、図の局面は後手が制圧した形です。先手は９筋を押し返そうにも▲８六桂では甘く、▲８六銀は△同香とされてしまいます。一方、後手からは△９六香の攻めがあります。形勢は後手がよさそうです。
（対局再開直後の様子）
（牛蒡）
15時46分の局面。先手は依然として苦しそうではありますが、桂を８五に跳ねられたのは好材料で▲９三銀の楽しみがあります。話を少し戻して、後手が107手目▲５四香に△９七香成としたのは、５四香を放置しても▲５三香成に△同飛と取れるのが理由のひとつと推測されますが、さっぱりと△５四同歩と応じ、７三に飛車を利かせたほうが受けやすかったかもしれません。本譜は△９七香成で香を渡したために▲３五香がちらつく展開になったのも気になります。
（牛蒡）