本局は西山女王の初手▲7八飛で始まりました。里見女流四冠が△3四歩(10手目)と角道を開けると、西山女王が▲2二角成△同飛▲8八飛と手損を承知で角交換型の相振り飛車に持ち込んでいます。工夫の作戦ですが、角を持ち合う展開は手詰まりになりやすいため、先手番の西山女王に打開が求められます。控室では深浦九段と鈴木九段が検討し、「千日手かなあ」という鈴木九段の声も聞かれました。
11時、▲3六歩(43手目)に里見女流四冠が時間を使っています。深浦九段は「左右反転した角換わりのようですね」と話しました。金の位置、銀の位置と双方の陣形が微妙に異なっています。この差がどう出るか、興味深い序盤戦といえます。
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