藤井聡太八冠誕生

これは、群雄割拠の将棋界に彗星のごとく現れ、王者への階段を駆け上がった、一人の将棋棋士の軌跡である。 2016年に史上最年少の14歳2か月で四段昇段を果たし、デビュー戦では加藤一二三九段を相手に勝利。公式戦最多連勝記録を塗り替える29連勝。 鮮烈なデビューから7年。初タイトル獲得からはわずか3年。四冠対三冠の頂上決戦となった渡辺明王将戦。世紀の一戦と称された第72期王将戦での羽生善治九段戦。棋理を追求する中で、タイトル戦最後の壁として立ちはだかったのは研究パートナーとして最も近くにいた「努力の天才」永瀬拓矢王座であった。

将棋世界2017年3月号
第30期竜王戦ランキング戦6組
加藤一二三九段 vs 藤井聡太四段
「天才の系譜を継ぐもの」
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将棋世界2020年8月号
第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第1局
渡辺明棋聖 vs 藤井聡太七段
「歴史的シリーズの序章」
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将棋世界2020年10月号
インタビュー 藤井聡太棋聖
最年少初タイトルを語る
「もっともっと強くなりたい」
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将棋世界2020年10月号
第61期王位戦七番勝負第4局
木村一基王位 vs 藤井聡太棋聖
「天王山に消えた勝機」
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将棋世界2021年2月号
新春スペシャルインタビュー
藤井聡太二冠
「二冠奪取を振り返る」
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将棋世界2022年1月号
第34期竜王戦七番勝負
豊島将之竜王 vs 藤井聡太三冠
「史上最年少四冠の誕生なる!」
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将棋世界2022年4月号
第71期ALSOK杯王将戦七番勝負第4局
渡辺明王将 vs 藤井聡太竜王
「誰が藤井を止めるのか」
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将棋世界2023年5月号
第72期ALSOK杯王将戦七番勝負第5局、第6局
藤井聡太王将 vs 羽生善治九段
「宇宙人?の名勝負」
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第71期王座戦五番勝負は文字通りの死闘だった。 永瀬王座の周到に用意された作戦と、ボロボロになっても指し続ける姿勢に このタイトル戦に懸ける執念が見て取れた。 そして、藤井竜王・名人もまた、もがいていた。 角換わり後手番での戦い方に苦慮し、 永瀬王座の気迫あふれる指し回しに 局面をリードされることも一度や二度ではなかった。 それでも、最後に勝ったのは藤井だった。 夢の全冠制覇を21歳の若武者が成し遂げたのだ。 大記録達成――。 将棋界のすべてのタイトルを手中に収めた藤井竜王・名人だが、 これが彼にとってゴールではないことを我々は知っている。 今回の王座戦にしても、誰よりも満足していないのは彼自身だろう。
将棋を極める道のりにゴールなど存在しない。

藤井聡太八冠の物語は、

これからも続いていく。