新刊案内 優しい優しい北島忠雄七段が書いた優しくて易しい端攻めの本|将棋情報局

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新刊案内 優しい優しい北島忠雄七段が書いた優しくて易しい端攻めの本

『すぐに使える!端の絶対手筋』5/23発売開始! 初心者、初級者でもわかりやすい「1筋・9筋本」です。

お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中

皆様こんにちは。将棋情報局の藤井です。

ドジョウを飼っているのですが、私が帰宅するとものすごい速さで水槽内を泳ぎまくり、秒で底砂に隠れてしまいます。もう少し仲良くしたい。

本日紹介する新刊はこちらです。

 

こども教室を開いておられます北島忠雄七段による、端攻めの基本テクニックを学べる一冊でございます。

 

 

北島七段は、本当にお優しい先生です。

実は筆者も小さい時、まだ奨励会員だった北島先生にスクールで指導をしていただいておりました。

指導対局の時、先生はいつも微笑みを浮かべていて、すでに詰み手順に入っているのに気付かない私があと3手か5手で簡単に詰む場所に玉を逃げても、微笑みを崩さず「うんうん」とうなずくようにして最後の詰みまで指してくださるのです。

「この詰みに気付かないとは何事だ!」

とか、

「この私に最後まで指させる気か!」

とかは、絶対に言いません。

そういう言葉の対極にいらっしゃるようなお方です。

あの微笑みは今でも時おり思い出します。

 

私の体験談はこれくらいにいたします。これを読めば、お人柄の一端を垣間見ていただくことができるかと思います。

 

北島忠雄公式サイト ブログ内、

親切

恥ずかしかったこと

講義にて

 

ね! やっさしいんです! 人当たり超ソフトなんです!

そんな北島七段が書いた「端攻め」の本・・・いったいどんな本なのか。

このレビューを書くにあたり、通して読んでみました。

 

はい! 思った通りの「優しい本」でした!

はしょらずに全部言いたいことを言いますと、

「優しい優しい北島七段が書いた、優しくて易しい端攻めの本」でした!

 

 

まずは「まえがき」と「目次」をご覧いただきます。

 


まえがき
 今回、端攻めをテーマにした本を書かせていただきました。端攻めを学ぶと守備駒の金銀を相手にせず、直接、相手玉に迫る攻撃ができるようになりますし、盤全体を広く見る大局的な視野が身に付くという効果があります。
 本書は初級者向けに易しい内容を心掛けましたが、上級者の方にも楽しんでいただけるようにプロの公式戦を題材にした項目も用意いたしました。手筋集、次の一手問題集としてぜひ、お手元においてご活用いただければと思います。
 私自身が将棋を覚えて最初に目にした端攻めは棒銀の端攻めで香ではなく銀から先に捨ててしまう手が、とても面白く印象に残りました。そこから定跡を学ぶ楽しさにつながったように思います。本書が皆さまの上達の一助となりますよう祈念いたしまして、ご挨拶に代えさせていただきます。

平成三十年五月 北島忠雄


 

目次

第1章 端の絶対手筋 基本編
第2章 囲いの崩し方
第3章 プロの実戦に学ぶ端攻め
第4章 次の一手12問
第5章 詰将棋20問

 

 

 

「初級者向けに易しい内容を心掛けた」とある通り、第1章「端の絶対手筋 基本編」全25例のうち、最初に出てくる例題は以下となっています。

中級以上の方にはちょっと易しすぎる? という感じの、端角に対して歩を突く定番の攻めですね。

ただ、本文中・・・

 

 私は地元の東京都大田区で小学生を対象とした将棋教室を開講しておりますが、この端に角を出る形、こどもたちが大好きです。相手が受け方が分からない場合、わずか3手で角の成り込みが実現するので、とても効率の良い攻め方ということになります。

(中略)

 端角戦法は相手が角成りを受けるかどうか、ドキドキするのが楽しいようで、入会から1年間ずっと端に角を出続けた生徒さんもいました。ちゃんと角道を開けて角を使えるようになると、そこに少し成長を感じたりします。

 

生徒さん、かわいすぎ・・・

微笑んで見守っていらっしゃる北島七段のお顔が脳裏に浮かびます。

 

おっと生徒さんかわいいは置いておいて、本文中にこうあるように、△1四歩~△1三角(▲9六歩~▲9七角)に対する正しい指し方は、初心者、初級者の方にとっては、覚えるべき大事な手筋! なぜ端角があまり良くないか? も同様に覚えるべきことですね。

第1章はこんな感じで25パターンの例を紹介しています。

例題1をご覧になられて「何か簡単すぎるな・・・」と思われた方、ご安心ください。単純なパターンだけではありません。下図の正しい後手陣攻略手順がわかりますか? 7手読んでみてください。

初心者、初級者の方にはちょっと難しいかもしれませんが、大丈夫です。

知らないことは、覚えればいいのです。

解説がわかりやすいので、25パターン、必ず頭に入ります。

ちなみに正解手順は、▲1四歩△同歩▲1二歩△同香▲1一飛。以下△2二金には▲2三歩で先手成功。

言うまでもなく、北島七段の解説はこんなにぶっきらぼうではありません。

 

 

「第2章 囲いの崩し方」も、最初の例題をご覧いただきましょう。

こ、これはっ!

北島七段がまえがきで触れていた「棒銀の端攻めで香ではなく銀から先に捨ててしまう手」のやつですね。でも▲1五歩△同歩▲同銀のあとはどう攻めるの? 正しい手順は本書でご覧ください。

矢倉の他にも美濃囲い、高美濃、銀冠、金無双、穴熊、舟囲い、右玉・・・などなど、さまざまな囲いに対する端攻めの形が解説されています。

 

 

「第3章 プロの実戦に学ぶ端攻め」「第4章 次の一手12問」「第5章 詰将棋20問」も詳しく紹介したいのですが、残念ながらお時間が来てしまいました。

「第3章」は、プロ公式戦で端攻めがきれいに決まった対局34局のハイライトをわかりやすい解説で紹介。端攻めの呼吸を感じ取っていただけます。

羽生善治竜王のデビュー局も題材になっています。興味のある方は、下の「おまけ」からどんな端攻めだったのかご覧ください。

※おまけ 天才少年登場 ~羽生世代の衝撃―対局日誌傑作選―より

「第4章」「第5章」は練習問題。特に「第5章」の「端」にまつわる詰将棋だけを集めたというのはちょっと珍しいと思いますので、1問紹介したいと思います。

「第5章」全20問のうち、19問が3手詰、最後の1問だけ5手詰となっています。

初級者の方でも問題なく挑戦できる難易度です。どうしてもわからない場合は答えを見て、形を覚えるだけでも実戦に役に立つことでしょう。

 

 

いかがでしたでしょうか。「優しい優しい北島七段が書いた、優しくて易しい端攻めの本」、本日5月23日発売開始となっております。

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著者

藤井草平(著者)