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新刊案内「変幻自在!現代右玉のすべて」 ~5分で分かる右玉最強説~

こんにちは。好きなハスラーはエフレン・レイズの編集部島田です。

久しぶりのガチ新刊案内いきます。

今日ご紹介するのは5月16日(水)に発売が迫った青嶋先生の新刊「変幻自在!現代右玉のすべて」です。


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この本は、何を隠そう右玉についての戦術書です(隠してない)。

青嶋先生といえば居飛車穴熊・振り飛車穴熊をともに指すほどの穴熊好きとして有名ですが、右玉の使い手でもあるのです。右玉王子と呼びたいくらいです。

さて、まずは本書の目次を紹介しましょう。こんな感じになっています。

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風車右玉と矢倉右玉があって、それぞれ角交換バージョンと普通バージョンを解説していく、というスタイルになっています。

風車右玉は左銀が4三に行く形。矢倉右玉は左銀が3三に行く形です。
風車右玉は雁木右玉とも言われます。

第1章~第4章までは各章の最後に「青嶋の結論」としてまとめがあって、第5章は「右玉のセオリー」として、右玉を指す上での汎用的な考え方について解説しています。

と、このように本書は「現代右玉のすべて」のタイトルにふさわしく、右玉のいろいろな形と考え方を網羅した内容になっております。


この本を読むと誰しもが同じ感想を持つはずです。その感想とは

「・・・右玉最強じゃん」

これです。関西圏の方は

「・・・右玉最強やん」

などとアレンジしてください。

とにかく、右玉が最強であることが大事です。なぜ最強かというと、理由の一つには「居飛車穴熊に組まれても右玉十分」ということがあります。

次の図を見てください。

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右玉に対して先手が居飛車穴熊に組んだ形ですが、右玉側は先手がせっせと穴熊に組んでいる間に△5二金~△6二金の行ったり来たりをひたすら繰り返してこの局面になりました。
しかし、ここで先手の打開は難しく、下手に戦端を開くと反撃にあって負けてしまいます(詳細は本書で!)。つまりこの局面では後手は最低でも千日手、相手が攻めてきたら勝ち、という相当有利な立場に立っているといえます。

現代将棋最強の囲いである居飛車穴熊にガッチリ組まれておいて、なお十分と言い張れる戦法、それが右玉なのです。

先手にとっては穴熊に組み替えることは得策ではなく、あの手この手で早めに攻めることが大事になってきます。

今日はその中から私の独断と偏見で「風車右玉VS矢倉」を取り上げてみたいと思います。

なぜ取り上げたかと言うと、私が右玉に対してよく指す形だからです。

ではいきます。まず基本図をみてください。

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見ての通り後手の右玉に対してごく普通に矢倉にしてみました、という局面です。

ここで▲2六銀として棒銀を狙うのは、いかにもその銀が取り残されて負けそうな気がしますが、本当に負けます。

具体的には▲2六銀にいきなり△6五歩▲同歩△同桂と仕掛けられます。

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以下、▲6六銀と逃げますが、後手は△5四銀左~△6四銀と上部に手厚く構えて、機を見て△6六角!▲同金△5七銀を決行して勝てます。

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この「手厚く構えて角切って銀打ち」は右玉の必勝パターンの一つです。

と、いうわけで先手は心を入れ替えて基本図に立ち返ります。

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ここで▲2六銀などという手を指すからいけなかったのです。

銀は動かさないで▲3五歩△同歩▲同角と仕掛けてみましょう。

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このあと▲3六銀~▲3七桂~▲4五銀(または▲4五桂)となれば理想郷が見えてきます。

また、今後は角が3五のいい位置に飛び出しているので先ほどの角切って銀打ちは使えません。

ではどうするか。
図以下△5四銀左に先手は予定通りの▲3六銀。しかしそこで好手がありました。

△8六歩!!が右玉狙いの一手です。

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あちょーーーー!!
常套手段のあちょーーーーーー!!


対して▲同銀は△6五歩でお陀仏。

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よって▲8六同歩と取ることになりますが3筋で手にした一歩を使って△8五歩の「継ぎ歩」の手筋が炸裂します。

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あちょーー!!
一連のあちょーーーーーー!!

こうなると先手の▲3六銀はいかにも立ち遅れていて攻めが間に合いそうにありません。実際間に合いません。

この「一歩持ったら△8六歩からの継ぎ歩攻め」は本書の中で何回も登場します。右玉側の飛、角、銀、桂が急所に突き刺さっていて、これだけで十分攻めとして成立しているのだから「右玉ずるい」と言いたくもなります。

まとめるとこういうことです。
 
(1)穴熊には千日手歓迎の姿勢
(2)棒銀には△6五歩から開戦し、上部を厚くしての角切り狙い
(3)▲3五歩からの攻めには一歩を生かして継ぎ歩攻め
(4)それが僕らの右玉戦法
(5)右玉最強 Don't you know?

以上です。

一冊読んでみての感想は、右玉はとにかく隙がないということです。現代将棋はバランスが大事ですから今後右玉が将棋の中心で愛を叫ぶ日も近いのかもしれません。

とにかく、本書が現代右玉のバイブルとしてしばらく君臨することは間違いないでしょう。

全国の右玉党必携の一冊!どうぞ宜しくお願いいたします。



 
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