2024.09.20
振り飛車が編み出した△3一銀型待機策とは?へなちょこ急戦の最新トレンドを解説!
将棋YouTuberのSugar氏が編み出した戦法「へなちょこ急戦」。2024年4月に戦術書「一撃!対振り飛車へなちょこ急戦」が出版されて以降も、プロ棋戦で類型が現れており、振り飛車側の工夫が見られるようになりました。そこで今回は、『将棋世界2024年10月号』に掲載された「【読み切り講座】一刀両断!対振り飛車へなちょこ急戦」より、振り飛車が編み出した対抗策「△3一銀型待機策」を解説していきます!へなちょこ急戦の今が分かります。
※本文中の段位は対局当時のもの
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皆さんこんにちは。
本記事では、「へなちょこ急戦」の指し方をご紹介します。
詳しくは、2024年4月26日に発売の『一撃! 対振り飛車へなちょこ急戦』(著:Sugar)、2024年9月3日に発売の『将棋世界2024年10月号』に載っていますので、チェックしてみてくださいね。
※本稿は、Sugar著『一撃! 対振り飛車へなちょこ急戦』と『将棋世界2024年10月号』の内容をもとに編集部が再構成したものです。
※「へな急VS中飛車」についてはこちらの記事、「へな急VS三間飛車」についてはこちらの記事、「VS三間飛車の重要な変化3選」についてはこちらの記事で解説しています。
今回は、先手:へなちょこ急戦VS後手:三間飛車の将棋から、プロ間で最近現れた新構想「△3一銀型待機策」をご紹介します。
まず、問題となる局面がこちら。
21手目、先手が桂馬を跳ねた局面です。
※どうやってこの局面になったかが気になる方は、盤面を動かしてみてください!
一見なんでもない局面に見えますが、4二にいることが多い後手の銀が3一から動いていないことが工夫です。
さて、ここで後手がどう指すかですが、プロの実戦でも現れた2つの手を解説していきます。
▲谷川浩司十七世名人―△高崎一生七段戦(2024年6月、B2順位戦、先手勝ち)でも出てきた手です。
22手目…
次の▲4五歩からの仕掛けに備えています。
23手目~29手目…
それでも先手は仕掛けていきます。
33手目…
谷川―高崎戦ではここで▲6六角と角を打ちましたが、横歩をかすめ取るこの手も有力です。
37手目…
へなちょこ急戦らしい軽快な動き。振り飛車が何もしてこなければ、▲4四歩と歩を打ちます。△5四金と金をかわすしかないですが、▲4三歩成と歩を成り捨て、△同飛で飛車の位置をずらしてから▲2二歩成とすれば、銀取り+飛車先突破で厳しい攻めになります。
▲藤本渚五段ー△古森悠太五段戦(2024年5月、竜王戦、先手勝ち)で指された一手です。
22手目…
駒を前線に送り出すためのルート作り、タイミングを見て△5五歩から反撃、などの狙いを秘めた手です。
30手目…
飛車をぶつけてさばきを狙います。
31手目…
先手陣の守りが薄いので、飛車交換は避けたいところ。
32手目…
手順に飛車を4二に持ってくることができました。
変化①△4二飛の、32手目の局面と比較してみてください。
先手の駒の配置は全く同じ、後手は△5四歩の一手が入っている、というのが分かると思います。
つまり、後手は変化①より1手多く、指したい手を指せているという事になります。
37手目…
すかさず先手は歩を打ちます。金で取ってきたら、空いている5三の地点に角を打てます。後手が△5四歩と突いてきた手を咎める指し方です。
38手目…
歩を取れない後手は金をかわします。
39手目…
先手は再度桂取りに飛車を回ります。
40手目…
銀を動かすと▲2二歩成があるので、歩で受けるぐらいしかありません。
41手目…
先手は2筋に飛車を戻し、▲2二歩成を狙います。
42手目…
後手は歩で手堅く守ります。
43手目…
5五に角を打たれる手を消しつつ、金銀を繰り出して4六の歩を回収しに行く展開を狙った手です。
後手は飛車、金、銀を動かしにくいので、苦労が多そうです。
変化②△5四歩…後手を悪形に押し込んで先手有利
このように主導権を握れるというのがへな急の良いところ。優位な局面で終盤戦に持ち込み、勝ち星を稼いでいきましょう!
以上がへなちょこ急戦の戦い方です。
詳しくは、2024年4月26日発売の『一撃! 対振り飛車へなちょこ急戦』(著:Sugar)と2024年9月3日発売の『将棋世界2024年10月号』に載っています。
ぜひ本書を読んで、へなちょこ急戦をマスターしてください! お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
本記事では、「へなちょこ急戦」の指し方をご紹介します。
詳しくは、2024年4月26日に発売の『一撃! 対振り飛車へなちょこ急戦』(著:Sugar)、2024年9月3日に発売の『将棋世界2024年10月号』に載っていますので、チェックしてみてくださいね。
※本稿は、Sugar著『一撃! 対振り飛車へなちょこ急戦』と『将棋世界2024年10月号』の内容をもとに編集部が再構成したものです。
※「へな急VS中飛車」についてはこちらの記事、「へな急VS三間飛車」についてはこちらの記事、「VS三間飛車の重要な変化3選」についてはこちらの記事で解説しています。
三間飛車の新工夫△3一銀型
今回は、先手:へなちょこ急戦VS後手:三間飛車の将棋から、プロ間で最近現れた新構想「△3一銀型待機策」をご紹介します。
まず、問題となる局面がこちら。
21手目、先手が桂馬を跳ねた局面です。
※どうやってこの局面になったかが気になる方は、盤面を動かしてみてください!
一見なんでもない局面に見えますが、4二にいることが多い後手の銀が3一から動いていないことが工夫です。
さて、ここで後手がどう指すかですが、プロの実戦でも現れた2つの手を解説していきます。
①△4二飛
②△5四歩
②△5四歩
変化①△4二飛
まずは銀を3一に置いておいたからこそできる手、△4二飛。▲谷川浩司十七世名人―△高崎一生七段戦(2024年6月、B2順位戦、先手勝ち)でも出てきた手です。
22手目…
次の▲4五歩からの仕掛けに備えています。
23手目~29手目…
それでも先手は仕掛けていきます。
33手目…
谷川―高崎戦ではここで▲6六角と角を打ちましたが、横歩をかすめ取るこの手も有力です。
37手目…
へなちょこ急戦らしい軽快な動き。振り飛車が何もしてこなければ、▲4四歩と歩を打ちます。△5四金と金をかわすしかないですが、▲4三歩成と歩を成り捨て、△同飛で飛車の位置をずらしてから▲2二歩成とすれば、銀取り+飛車先突破で厳しい攻めになります。
変化②△5四歩
次は、△5四歩を見ていきます。▲藤本渚五段ー△古森悠太五段戦(2024年5月、竜王戦、先手勝ち)で指された一手です。
22手目…
駒を前線に送り出すためのルート作り、タイミングを見て△5五歩から反撃、などの狙いを秘めた手です。
30手目…
飛車をぶつけてさばきを狙います。
31手目…
先手陣の守りが薄いので、飛車交換は避けたいところ。
32手目…
手順に飛車を4二に持ってくることができました。
変化①△4二飛の、32手目の局面と比較してみてください。
先手の駒の配置は全く同じ、後手は△5四歩の一手が入っている、というのが分かると思います。
つまり、後手は変化①より1手多く、指したい手を指せているという事になります。
37手目…
すかさず先手は歩を打ちます。金で取ってきたら、空いている5三の地点に角を打てます。後手が△5四歩と突いてきた手を咎める指し方です。
38手目…
歩を取れない後手は金をかわします。
39手目…
先手は再度桂取りに飛車を回ります。
40手目…
銀を動かすと▲2二歩成があるので、歩で受けるぐらいしかありません。
41手目…
先手は2筋に飛車を戻し、▲2二歩成を狙います。
42手目…
後手は歩で手堅く守ります。
43手目…
5五に角を打たれる手を消しつつ、金銀を繰り出して4六の歩を回収しに行く展開を狙った手です。
後手は飛車、金、銀を動かしにくいので、苦労が多そうです。
今回のまとめ
変化①△4二飛…攻めの主導権を握っており先手有利変化②△5四歩…後手を悪形に押し込んで先手有利
このように主導権を握れるというのがへな急の良いところ。優位な局面で終盤戦に持ち込み、勝ち星を稼いでいきましょう!
へなちょこ急戦を体系的に学ぶならこの本がおすすめ
ここまでお読みいただきありがとうございました!以上がへなちょこ急戦の戦い方です。
詳しくは、2024年4月26日発売の『一撃! 対振り飛車へなちょこ急戦』(著:Sugar)と2024年9月3日発売の『将棋世界2024年10月号』に載っています。
ぜひ本書を読んで、へなちょこ急戦をマスターしてください! お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
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