棋士の本棚フェア 第1回:戸辺誠七段(インタビュー前編)|将棋情報局

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棋士の本棚フェア 第1回:戸辺誠七段(インタビュー前編)

※このフェアは終了しました。第2回をお楽しみに。「棋士の本棚フェア」はプロ棋士に自身の上達法や、実際に読んだオススメ棋書をインタビューでうかがって、関連商品を割引販売するというものです。記念すべき第1弾は戸辺誠七段。生粋の振り飛車党で中飛車のスペシャリスト。2019年1月には新刊「戸辺流 こだわりのゴキゲン中飛車」が発売され好評いただいています。

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※このフェアは終了しました。

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※2/28追記

戸辺七段に直筆扇子をご提供いただきました。フェア期間中に対象商品のいずれかをお求めいただきました方の中から抽選で1名にプレゼントいたします!

それでは戸辺流上達法、どうぞご覧ください。

 


新刊『戸辺流 こだわりのゴキゲン中飛車』著者の戸辺誠七段

 

――戸辺先生、本日はよろしくお願いします。

「よろしくお願いします」

――早速ですが、先生の将棋上達法について教えてください。

「私が将棋を勉強しはじめたのは、ざっと20年前で、今みたいに便利じゃなくて棋譜は新聞や名人戦をBSで観たりして手に入れるしかありませんでした。とにかく情報が少なくて週刊将棋や将棋世界は絶対必要という時代でしたね。それに加えて茨城に住んでたので、強い人と対局するのが難しかったんです。 その中で強くなるためには自分で工夫しなきゃいけない。そこで次の一手や詰将棋の本を片っ端から買ってきて毎朝解いていました。結局終盤って結構パターンじゃないですか。そのパターンをとにかく体に染み込ませようと思って」

――実際、何冊くらいやったんですか?

「30冊か40冊か、それくらいはやったと思います」

――ひえー、そんなに。どんなやり方をするんですか?毎日ちょっとずつ解いていくとか?

「例えば、最初は1日10問と決めてやるんです。次の日は11問目から20問目、そうやって10問、20問、30問といって1冊が終わります。同じペースで何冊か終わったところでもう一回1冊目に戻るんです。ここが大事です。そうすると当時子どもで記憶力が良かったこともあるんですが、結構覚えてるんですよね。『あ、できるな』と、思うわけです。すると今度は1日30問進められます。30問、60問、90問、と進めて2周目が終わります。そして3周目にいくわけですが、ここまでくると、もうほとんどひと目で答えられるようになってる自分がいるんですよ」

――おおー!すごい!目に見えて成長していってる感じがします。

「そういうやり方をしているうちに終盤力がつきました。こう来たらこう、こう来たらこう、っていう終盤のパターンが身について、すぐ反応できるようになりましたね。それと、次の一手問題って派手目な手が多いじゃないですか。大駒を切ったり、金銀をタダで捨てたり。私自身、派手な手が好きなのは子どものときに次の一手問題をたくさん解いた影響があると思います。読み筋の先にそういう手が見えたら『これを意地でも実現させてやろう』と思ってしまいます。これはいい影響かどうかわかりませんが(笑)」

――具体的にこの本!ということでなにか覚えているのはありませんか?

「たくさんありますけど、谷川先生の『光速の寄せ』と他社で恐縮ですけど金子タカシさんの『寄せの手筋200』、あとはなんと言っても美馬さんの『秘伝 穴熊王』ですね」

――『秘伝 穴熊王』・・・。そんな本があるんですか。これも次の一手問題ですか?

「そうです。マイナビ出版さんの本ですよ(笑)。穴熊のありとあらゆる手筋を集めた本ですね。プロの実戦を題材にして、それを美馬さんが言葉巧みに料理してます。この本からはかなり影響を受けました。逆に最近の本ではどんなものがあるんですか?」

※注・『秘伝 穴熊王』は1995年毎日コミュニケーションズ(マイナビ出版の前身)刊。現在は絶版。

――いろいろありますけど、最近は易しめの次の一手問題集が好評です。『次の一手で覚える将棋基本手筋コレクション432』ですとか真田先生の『一問一答で身につく現代将棋の基本手筋432』ですとか。

「商品一覧とかあるんですか?」

――はい。将棋情報局かマイナビブックスのサイトで見られますよ。

「そういうのがあるんですね」

(と、いいつつスマホで将棋情報局を見る戸辺先生)

「あ、これですね。432、436、404・・・いろいろありますね(笑)」

――あるんですよ(笑)

 



『「次の一手」で覚える将棋基本手筋コレクション』より。実戦では見逃してしまいそうですが、どちらもチャンスが訪れています。


解答ページ。



『一問一答で身につく現代将棋の基本手筋432』より。基本手筋を覚えたい方にピッタリの良書。


解答ページ。


 

「(一覧を眺めて)このひと目の戦法シリーズはいいと思ってました。『ひと目の中飛車』、『ひと目の石田流』・・・。これ、全部長岡さんが書いたんですね。すごいな~」

――ええ。長岡先生に感謝です。

 



「ひと目シリーズ」は次の一手形式で定跡をマスターできる内容。『ひと目の石田流』より。


解答ページ。答えだけでなく解説も充実。



『ひと目の中飛車』より。


解答ページ。


 

「あ!あるじゃないですか、こういうの」

――及川先生の『囲いの破り方』ですね。

「これですよ!こういうのがいいんです。この本、『戸辺のイチオシ』にしてください」

――了解しました。

 



『全戦型対応!囲いの破り方』より。矢倉崩しと美濃崩しの基本手筋を1題ずつ。

 


解答ページ。


 

「いやー、本がいっぱいありますね。いい時代になりました」

――おじいちゃんみたいですね(笑)

「ははは。でもたくさん本がありますけど、大事なのは自分のレベルに合った本を選ぶということです。よくあるのは、将棋強い人が『これいいよ』って勧めるんですけど、そういう本って、だいたいレベルが高いんですよ。初心者の方がやろうとすると、『いい本なんだろうけど、よくわからないからいいや』ってなっちゃう。背伸びしないで、『5手詰が基本だから』と言われても1手詰に自信がないなら1手詰を何度もやったほうがいいです。詰将棋って、級位者でもまぐれで9手詰が解けることがあるじゃないですか。でもそれって『9手詰が解けるレベル』とは言えませんよね。たまに長い手数の問題が解けることより『どんな3手詰でも確実に解ける』方がはるかに重要です。だから次の一手問題もそうですけど、『これ、カンタンじゃん!』というくらいのところからはじめて、自分が確実に解ける範囲を徐々に広げていってほしいですね」

(3月4日公開の後編に続く)

 

 

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